《峠旅 越中・ブナオ峠を行く!!》
平成20年7月、東海北陸自動車道の飛騨トンネルが開通し、岐阜と富山は一気に近づいた。このチャンスを活かし、富山エリアの峠を訪れることにした。場所はブナオ峠・・・ネットで道路情報を得ようとするが、いつ見ても工事通行止めとある。
富山県道54号「福光上平線」とある。れっきとした県道であれば、県の予算で維持管理するものと思うが、実態は工事もせずに放置されているようである。その確認も今回の目的の一つであった。
美濃インターに集合し、一路、白川郷へと向かう。蛭ヶ野高原辺りの紅葉はすでに終っていた。清見より飛騨トンネルに入る。全長は10,710m、日本では2位、世界でも8位の長さとか。軟弱な地質のため、トンネル掘削機の「天生太郎」は、そのまま埋められてしまったそうである。ちなみに、麻生太郎ではない!???
上平インターにて降り、道の駅「上平」にクルマを停める。ここよりサイクリングの開始である。タカンボースキー場を左に見て、新屋橋を渡って左折し、草谷に沿って峠へ向かう。工事通行止めの電光掲示板が物々しい。
県道は1車線幅で、ガードレールも無く、ゆるゆると紅葉の中を上ってゆく。天気はまあまあ、5人のメンバーの顔は明るい。互いに写真を撮りながら、峠ツーリングを楽しみながら走る。ここがかつて塩硝街道と呼ばれたルートである。
道が大きく南に張り出した辺りで、谷の底に湖が見えた。桂湖とある。その奥には、飛騨・加須良という合唱集落があったという(昭和42年に離村)。ちなみに、下流には越中桂の集落もあったとか。
そこより一息でブナオ峠へと至る。この峠からは、大門山、赤摩木古山、奈良岳、大笠山へと、越中と加賀の境となる名山へ登ることが出来るようだ。
簡単な食事を済ませ、いよいよ廃道状態の県道へ突き進む。まるで工事などはされておらず、アスファルトの道には草木が茂って、ようやく人が歩いて通れるスペースだけが開いていた。これを付けたのは釣りの連中と思われる。
枯れた夏草や枝を避け、落ち葉の積もった道を慎重に下る。落ち葉の下が舗装されているため、余計に滑りやすい。隠れた落石にも注意が要る。
10km程であろうか、延々と閉鎖区間が続いた。どこかで工事でもと、期待はしたが、結局は何もやってはいなかった。巨大な倒木が数箇所あり、担ぎで何とかやり過ごすが、モーターバイクでは無理なようだ。
最後の倒木を越えると熊撃ちの猟師のジムニーが止まっていた。このエリアは熊の巣だとか。猟師の世界の裏話を聞かせてもらった。
中河内の集落跡へ出れば危険エリアからは開放される。フラットになった道を快適に飛ばす。途中の滝谷トンネルでは、暗闇の中を歩く人を見たという。
刀利ダムを過ぎ、福光の町を目指す。夏の集中豪雨の爪跡らしきものが随所に見られた。沢という沢が全て抜けているのには驚いた。自然のエネルギーには凄いものがあると。
太美(ふとみ)の辺りで右折し、桜ヶ池経由で国道304号へ向かう。この辺りよりは、砺波平野の散居村が遠望できた。
城端(じょうはな)へ入り、迷いながら国道へと出る。再び上りに入り、南下をする。新設された五箇山トンネルを使わず、細尾峠、小瀬峠へと向かう。トンネルの右手の道に入ると、行き成りの崩落現場へ出くわす。その下は人喰(ひとくい)谷と恐れられた峡谷となっている。
人喰谷・・・昔の物資輸送は人の手に頼っていた。ボッカと呼ばれる人夫達で、雪の朴峠を越えてきたボッカ達が雪崩に遭い、多くの犠牲者が出たという。
細尾トンネルの入り口より先は未舗装であった。最後の力を振り絞って小瀬峠を目指す。砺波から五箇山へ越える峠は今も厳しいということを実感した。
ススキの原となっている峠は明るい場所であった。袴腰山が目の前に望まれ、人形山や三ヶ辻山が南東方向に大きく遠望できた。
秋の夕暮れは早い。持参した衣類を全て着込み、ダウンヒルに入る。九十九折の道を一気に下った。あまりに激しいブレーキングのせいで、リムが手で触れないほど熱くなっていた。
途中、五箇山ユース・ホステルの前を通った。すでにユースは廃業しているようで、人気はなかった。羽馬家といい、江戸時代は、加賀藩の役人であり、塩硝を扱っていたという。合唱造りは、火薬を隠すのにも役立ったようである。
更に下り、菅沼の合唱集落へと向かう。多少は観光化しているが、白川郷の荻町ほどではない。観光客よろしく、五平餅を味わう。
ラストラン・・・庄川沿いの裏道を激走?し、車へと戻った。帰り道、荘川インター入り口の「桜香の湯」に浸かり、峠旅の疲れを癒した。
※塩硝街道・・・江戸時代、加賀前田藩が越中五箇山で煙硝を作らせ、それを金沢へ運んだ道が塩硝街道である。
コースマップ
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=b675bd2e2ca8c531113041a2f2cbf4f1
画像(期間限定)
http://album.pentax.jp/166909111/albums/54168/
平成20年7月、東海北陸自動車道の飛騨トンネルが開通し、岐阜と富山は一気に近づいた。このチャンスを活かし、富山エリアの峠を訪れることにした。場所はブナオ峠・・・ネットで道路情報を得ようとするが、いつ見ても工事通行止めとある。
富山県道54号「福光上平線」とある。れっきとした県道であれば、県の予算で維持管理するものと思うが、実態は工事もせずに放置されているようである。その確認も今回の目的の一つであった。
美濃インターに集合し、一路、白川郷へと向かう。蛭ヶ野高原辺りの紅葉はすでに終っていた。清見より飛騨トンネルに入る。全長は10,710m、日本では2位、世界でも8位の長さとか。軟弱な地質のため、トンネル掘削機の「天生太郎」は、そのまま埋められてしまったそうである。ちなみに、麻生太郎ではない!???
上平インターにて降り、道の駅「上平」にクルマを停める。ここよりサイクリングの開始である。タカンボースキー場を左に見て、新屋橋を渡って左折し、草谷に沿って峠へ向かう。工事通行止めの電光掲示板が物々しい。
県道は1車線幅で、ガードレールも無く、ゆるゆると紅葉の中を上ってゆく。天気はまあまあ、5人のメンバーの顔は明るい。互いに写真を撮りながら、峠ツーリングを楽しみながら走る。ここがかつて塩硝街道と呼ばれたルートである。
道が大きく南に張り出した辺りで、谷の底に湖が見えた。桂湖とある。その奥には、飛騨・加須良という合唱集落があったという(昭和42年に離村)。ちなみに、下流には越中桂の集落もあったとか。
そこより一息でブナオ峠へと至る。この峠からは、大門山、赤摩木古山、奈良岳、大笠山へと、越中と加賀の境となる名山へ登ることが出来るようだ。
簡単な食事を済ませ、いよいよ廃道状態の県道へ突き進む。まるで工事などはされておらず、アスファルトの道には草木が茂って、ようやく人が歩いて通れるスペースだけが開いていた。これを付けたのは釣りの連中と思われる。
枯れた夏草や枝を避け、落ち葉の積もった道を慎重に下る。落ち葉の下が舗装されているため、余計に滑りやすい。隠れた落石にも注意が要る。
10km程であろうか、延々と閉鎖区間が続いた。どこかで工事でもと、期待はしたが、結局は何もやってはいなかった。巨大な倒木が数箇所あり、担ぎで何とかやり過ごすが、モーターバイクでは無理なようだ。
最後の倒木を越えると熊撃ちの猟師のジムニーが止まっていた。このエリアは熊の巣だとか。猟師の世界の裏話を聞かせてもらった。
中河内の集落跡へ出れば危険エリアからは開放される。フラットになった道を快適に飛ばす。途中の滝谷トンネルでは、暗闇の中を歩く人を見たという。
刀利ダムを過ぎ、福光の町を目指す。夏の集中豪雨の爪跡らしきものが随所に見られた。沢という沢が全て抜けているのには驚いた。自然のエネルギーには凄いものがあると。
太美(ふとみ)の辺りで右折し、桜ヶ池経由で国道304号へ向かう。この辺りよりは、砺波平野の散居村が遠望できた。
城端(じょうはな)へ入り、迷いながら国道へと出る。再び上りに入り、南下をする。新設された五箇山トンネルを使わず、細尾峠、小瀬峠へと向かう。トンネルの右手の道に入ると、行き成りの崩落現場へ出くわす。その下は人喰(ひとくい)谷と恐れられた峡谷となっている。
人喰谷・・・昔の物資輸送は人の手に頼っていた。ボッカと呼ばれる人夫達で、雪の朴峠を越えてきたボッカ達が雪崩に遭い、多くの犠牲者が出たという。
細尾トンネルの入り口より先は未舗装であった。最後の力を振り絞って小瀬峠を目指す。砺波から五箇山へ越える峠は今も厳しいということを実感した。
ススキの原となっている峠は明るい場所であった。袴腰山が目の前に望まれ、人形山や三ヶ辻山が南東方向に大きく遠望できた。
秋の夕暮れは早い。持参した衣類を全て着込み、ダウンヒルに入る。九十九折の道を一気に下った。あまりに激しいブレーキングのせいで、リムが手で触れないほど熱くなっていた。
途中、五箇山ユース・ホステルの前を通った。すでにユースは廃業しているようで、人気はなかった。羽馬家といい、江戸時代は、加賀藩の役人であり、塩硝を扱っていたという。合唱造りは、火薬を隠すのにも役立ったようである。
更に下り、菅沼の合唱集落へと向かう。多少は観光化しているが、白川郷の荻町ほどではない。観光客よろしく、五平餅を味わう。
ラストラン・・・庄川沿いの裏道を激走?し、車へと戻った。帰り道、荘川インター入り口の「桜香の湯」に浸かり、峠旅の疲れを癒した。
※塩硝街道・・・江戸時代、加賀前田藩が越中五箇山で煙硝を作らせ、それを金沢へ運んだ道が塩硝街道である。
コースマップ
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=b675bd2e2ca8c531113041a2f2cbf4f1
画像(期間限定)
http://album.pentax.jp/166909111/albums/54168/