異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

虹をつかむ男

2009-05-17 20:10:03 | Weblog
『ファインマンさん最後の授業』の読書感想。
物理学者ファインマンを文系で知っている人は珍しいのではと思う。私も2年前まで、全然知らなかった。そして、つい最近までJe pense, donc je suisコギト・エルゴ・スム cogito ergo sumで有名な1596年生れのデカルトが虹のしくみを科学的に解明していたということも知らなかった。

虹とは水滴の浮んでいる大気に観測者の後ろから日が射したときにできる色のついた弧の連続体で、正確には円錐形の断面ということをデカルトが人類で最初に数学を駆使して幾何学的に分析したらしい。この手の話は理系の人には常識なんだろうけど、文系では聞いたためしがない話だ。後輩に向けてファインマン氏は言った。『なぜ、デカルトは虹を研究したと思う?虹を美しいと思ったからだよ。』

彼は1986年のチャレンジャー爆発事故の原因を明らかにする実験をあっさりとやってのけた人物でもある。この事故は打ち上げにTVクルーが入っていたところに起きた事故でそのまま放映されたため記憶に残っているが、原因究明の方は覚えていなかった。

世界に対して心を開いていないと、多くの真実を見落としてしまう。そんなことを意識させてくれる本ですた。見落としてしまえば、誰かが作った常識を真実の替わりに受け入れる羽目になる。

願わくは、ファインマンみたいな人に会って見たいものだ。ん?既に遭遇しているかも。

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