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ぶつぶつ言っていると、中東男子が流暢な日本語で「日本からのAir Fare はすごく安いです。信じられないくらい。中東からは近くても高いですよ。」と話しかけてきた。荷物札を受け取ったチュニ君もこちらへ向かってくる。
皆がそろったので記念写真をギャラクシータブでナナちゃんに取ってもらう。長い腕で3人の男子の肩に腕を置くチュニ君。いつもこの腕の長さをみると物干し竿のごとく長いと思う。
4人の前に進む自分。
「タブってPC持ち歩くのと一緒ですね。」と美形中東男子ハマド君。
記念写真が終わって「これ、12月から持っている。」とチュニ君に向かって袋を差し出すと、周りからクスッと笑いが漏れる。昨年の9月末に博士課程を卒業してから研究室のリサーチバイトをしてJSPSの文系ポスドク枠の結果を待っていたチュニ君だったが結果は×。理系ならともかく文系ではほとんど採用がない世界なのだ。そうこうするうちにジャスミン革命。国の内情が落ち着くのを待っていたら震災。いつの間にか帰国予定を6か月超過。
袋から「これドリンクホルダー」と取り出しチュニ君の首に素早くかける。メダルの贈呈式のごとく勝利のメロディをハミングしだすチュニ君。
「こういう風にペットボトルを止めて使うんです。両手が空くでしょ。」
「このお茶くれるんですか?」
「えーっ!飲み物は自分で買ってください。」なぜかムッときて、お茶のペットボトルを取り外す。
「ハグいいですか?」
モスリムなので、こちらのモードが混乱する。触らないのが君らのコードでは??が、今生のお別れだ。良しとしよう。といいつつ、なにかまだイラッときている。なので、成人男性が少年に向かってするように肩を抱きポンポンと音を立てた。おや、珍しい。子ども扱いに神妙にして抵抗しないな。ん、こんなにSolidな肩だとは、想像もしていなかった。なんか益々イラッとくる。
周りからクスッという笑いが漏れる。ナナちゃんからはあからさまに驚愕の反応。ハグそんなに珍しいのか。これは本式のハグではないのに。
「I asked you too many things in the dorm. So I always wondered when you would ignore me.」とチュニ君。あ、自覚はあったわけだ。やたらつっかかって議論をふっかけてくる時期もあった。しかし、もうそれも2年近く前の話。昨年7月にFACEBOOK友人になってからは、ネットのコミュニケーションが9割。地震、原発避難という非常事態が起こらなければ、リアルのチュニ君とこんなに関わることはなかっただろう。努めて平静を保ち「あの頃、君は色々と大変だったから。・・・・それに・NiÑo・・Es passado!だよ。」
「This is for you・・・・」チュニ君が本を差し出す。The Qur'an―Arabic text with corresponding English meaningという文字が目に飛び込んできた。開くと踊るアラビア文字にアルファベットが寄り添っている。
「To tell the truth, I have the Japanese version. でも英語は持っていなかったからアリガト。」
震災後壊れた本棚の整理をしていたら2001年の911の後に買った井筒俊彦訳コーランを見つけた。「アラブが見た十字軍」と一緒に買ったものだ。
チュニ君はどぎまぎしているナナちゃんに軽いハグをし、それから本式のハグとキスを中東男子達と展開しだした。
キスを頬にべたっとしているわけではない。ほほを寄せキス音をさせているだけなのだ。誤解なきよう。これは男性同士だけで、女性には絶対しない。スペインなら同じことを男女がしているが。
「うーん、あれはヨーロッパと同じですよねー。ある意味近いのかしら。感性が?。」注視しているナナちゃんに話しかける。
「行くぞ、北アフリカ!」ナナちゃんが宣言。
頑張れ。あの時間感覚に耐えれるなら行ける。
「Salam!」「Salam!「Salam!」「Salam!」と歌うように皆が繰り返す。
バスに乗り込み、席に着き投げキスをしまくるチュニ君。これはイスラム圏なら結構だれでもする別れのときの挨拶だ。
幼児までやっているのだから、さして深い意味はない。
こちらも大きなジェスチャーで投げキスを返してやる。注意を引いたようだ。この時とばかり、ポケットから赤いLammyのペンを取出し、ペンライトよろしく左右に大きく振って見せる。確実に視線がこちらに向いた。その夜でも良く見える目で何を持ってるか見ろ!でも、手がかかったから、やらないよっ!!(でも結局何を思ってやっているかわかんないんだろうな。。。。)
バスが出発する。皆チュニ君が見えなくなるまで手を振った。
「あ、国の住所と電話番号を聞くの忘れた。」中東男子が言う。
「FACEBOOKがあるじゃないですか。Skypeも。それにイエメンからなら北アフリカは近いでしょ。」
「うーん5時間ちょっと。航空運賃50,000円くらいです。」
「へー日本とタイくらい離れているんだ。」
「スーダンからは3時間ちょっと。」
常にこのグループは中東、北アフリカという地域の認識の中だったが、彼ら自身、外国人同士だったんだなとあらためて思う。
ところで、タブで撮ってもらった写真の自分は、ゴージャスに微笑む長身の4人のそれぞれにタイプの違う彫の深いエキゾチックな妙齢男子たちの前で一人ムッとした口元でおまけに目をつぶっている。
皆がそろったので記念写真をギャラクシータブでナナちゃんに取ってもらう。長い腕で3人の男子の肩に腕を置くチュニ君。いつもこの腕の長さをみると物干し竿のごとく長いと思う。
4人の前に進む自分。
「タブってPC持ち歩くのと一緒ですね。」と美形中東男子ハマド君。
記念写真が終わって「これ、12月から持っている。」とチュニ君に向かって袋を差し出すと、周りからクスッと笑いが漏れる。昨年の9月末に博士課程を卒業してから研究室のリサーチバイトをしてJSPSの文系ポスドク枠の結果を待っていたチュニ君だったが結果は×。理系ならともかく文系ではほとんど採用がない世界なのだ。そうこうするうちにジャスミン革命。国の内情が落ち着くのを待っていたら震災。いつの間にか帰国予定を6か月超過。
袋から「これドリンクホルダー」と取り出しチュニ君の首に素早くかける。メダルの贈呈式のごとく勝利のメロディをハミングしだすチュニ君。
「こういう風にペットボトルを止めて使うんです。両手が空くでしょ。」
「このお茶くれるんですか?」
「えーっ!飲み物は自分で買ってください。」なぜかムッときて、お茶のペットボトルを取り外す。
「ハグいいですか?」
モスリムなので、こちらのモードが混乱する。触らないのが君らのコードでは??が、今生のお別れだ。良しとしよう。といいつつ、なにかまだイラッときている。なので、成人男性が少年に向かってするように肩を抱きポンポンと音を立てた。おや、珍しい。子ども扱いに神妙にして抵抗しないな。ん、こんなにSolidな肩だとは、想像もしていなかった。なんか益々イラッとくる。
周りからクスッという笑いが漏れる。ナナちゃんからはあからさまに驚愕の反応。ハグそんなに珍しいのか。これは本式のハグではないのに。
「I asked you too many things in the dorm. So I always wondered when you would ignore me.」とチュニ君。あ、自覚はあったわけだ。やたらつっかかって議論をふっかけてくる時期もあった。しかし、もうそれも2年近く前の話。昨年7月にFACEBOOK友人になってからは、ネットのコミュニケーションが9割。地震、原発避難という非常事態が起こらなければ、リアルのチュニ君とこんなに関わることはなかっただろう。努めて平静を保ち「あの頃、君は色々と大変だったから。・・・・それに・NiÑo・・Es passado!だよ。」
「This is for you・・・・」チュニ君が本を差し出す。The Qur'an―Arabic text with corresponding English meaningという文字が目に飛び込んできた。開くと踊るアラビア文字にアルファベットが寄り添っている。
「To tell the truth, I have the Japanese version. でも英語は持っていなかったからアリガト。」
震災後壊れた本棚の整理をしていたら2001年の911の後に買った井筒俊彦訳コーランを見つけた。「アラブが見た十字軍」と一緒に買ったものだ。
チュニ君はどぎまぎしているナナちゃんに軽いハグをし、それから本式のハグとキスを中東男子達と展開しだした。
キスを頬にべたっとしているわけではない。ほほを寄せキス音をさせているだけなのだ。誤解なきよう。これは男性同士だけで、女性には絶対しない。スペインなら同じことを男女がしているが。
「うーん、あれはヨーロッパと同じですよねー。ある意味近いのかしら。感性が?。」注視しているナナちゃんに話しかける。
「行くぞ、北アフリカ!」ナナちゃんが宣言。
頑張れ。あの時間感覚に耐えれるなら行ける。
「Salam!」「Salam!「Salam!」「Salam!」と歌うように皆が繰り返す。
バスに乗り込み、席に着き投げキスをしまくるチュニ君。これはイスラム圏なら結構だれでもする別れのときの挨拶だ。
幼児までやっているのだから、さして深い意味はない。
こちらも大きなジェスチャーで投げキスを返してやる。注意を引いたようだ。この時とばかり、ポケットから赤いLammyのペンを取出し、ペンライトよろしく左右に大きく振って見せる。確実に視線がこちらに向いた。その夜でも良く見える目で何を持ってるか見ろ!でも、手がかかったから、やらないよっ!!(でも結局何を思ってやっているかわかんないんだろうな。。。。)
バスが出発する。皆チュニ君が見えなくなるまで手を振った。
「あ、国の住所と電話番号を聞くの忘れた。」中東男子が言う。
「FACEBOOKがあるじゃないですか。Skypeも。それにイエメンからなら北アフリカは近いでしょ。」
「うーん5時間ちょっと。航空運賃50,000円くらいです。」
「へー日本とタイくらい離れているんだ。」
「スーダンからは3時間ちょっと。」
常にこのグループは中東、北アフリカという地域の認識の中だったが、彼ら自身、外国人同士だったんだなとあらためて思う。
ところで、タブで撮ってもらった写真の自分は、ゴージャスに微笑む長身の4人のそれぞれにタイプの違う彫の深いエキゾチックな妙齢男子たちの前で一人ムッとした口元でおまけに目をつぶっている。