異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

日本語をめぐる時間旅行4

2009-03-13 20:46:38 | Weblog
戻って来れなくなる可能性が非常に高くなるから、そろそろ上代日本語の旅も終盤にしようと思う。

時代を古事記から日本霊異記や竹取物語のあたりまで100年ほど中世に向かって下ってみる。

~日本現報善悪霊異記/日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんほうぜんあくりょういき)は、平安時代初期に書かれた日本最古の説話集である。『日本霊異記』と略して呼ぶことが多い。著者は景戒。上・中・下の三巻。変則漢文で書かれている。成立年ははっきりしないが、序と本文の記述から、弘仁13年 (822年) とする説がある。~by WIKI
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/np/ryoiki.html
ここでは、小生のような現代人でも漢語の意味が取れる漢文調の書き方になっている。なぜ、全文漢文調なんだろうか。もうかな文字もあるだろうに。

同じく平安時代初期には日本人なら誰でも知っているこの作品!
~竹取物語(たけとりものがたり)は、日本最古とされる物語である。竹取物語は通称であり、竹取翁の物語ともかぐや姫の物語とも呼ばれた。成立年、作者ともに不詳。仮名によって書かれた最初期の物語の一つでもある。~by WIKI
http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/np/taketori.html
小生のような現代人にはこんな達筆では読める部分の方が少ないが、仮名文字主体で漢字が混ざっているのが分かる。

ざっと、WEBで文書を巡ってみたが、古事記の元表記を見て、随分極端な二重言語表記をしていたのだなと感心。歌に関しては万葉仮名、記述は漢語。
~到能煩野之時、思国以歌曰、夜麻登波 久爾能麻本呂婆 多多那豆久 阿袁加岐 夜麻碁母禮流 夜麻登志宇流波斯~
漢文調のところだけ意味が取れる。表意文字としての漢字だから、1200年前だろうが原理は一緒。万葉仮名の歌は高校の古文で仮名文字のものを見ているからなんとかあてずっぽうで読めるけれど、内容を現代かな遣いで知っていなければ、暗号。

で、王さんとサイトウの間で交わされた文化の世代間伝達(民族の記憶)について考えてみる。資料がこれほど見事に残っていて、ネットでクリックするだけで国の重要文化財までサラッと到達できてしまうということをはっきり認識したが、手に触れるところにあっても、表記法が変われば一般の興味の対象にはならないという点、系統の同じ言語表記でも年代が変わればこの有様ですた。どの文書も楷書で書いてくれれば日本語として認識されるけど、達筆すぎるテキストは読む段階で引っかかり、慣れるのに相当時間がかかると思う。(ただし、慣れるのは外国語の習得よりは時間はかからないとも思う)。

高校の国語の先生なら電子図書館の竹取物語のJPEG原本をスラスラと読めるのだろうか?国語科に進学したら古文書概論なんていう授業で対応表を用いて、万葉集の原文テキストを読む稽古をしているのだろうか?中高の国語の先生達が、その時代の文字でかかれたテキスト20作品くらいスラスラ読める下地があって古文や漢文を教えているなら本当に尊敬するので、誰か実際のところを教えてください。

ネットを色々、寄り道していたら国文学研究資料館で本居宣長書簡見つけました。
やはり読めませんわ。平家物語もあったから、達筆が得意な人はどうそ。 http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=99-025&IMG_NO=5&IMG_KIND=JPEG

ああ、この原書がこのまま読めたらかなり風流でかっこいいんだけど。。。。




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