走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

言葉の使い方

2016年10月28日 | 仕事
先日の彼女との会話で考えさせられた事がもう1つ。

人間はいつもY字の二又に立ってどっちの道に進むのか決めなければならない。人生はそういう決断の連続性だ。

私は医療者として今あるエビデンスで示されているベストの治療を提供しようとする。しかし患者はそれを断る事がある。

断る= refuse

患者の自己決定した意思は尊重しなければならない。それは自由の権利に由来する。以前にも書いたが体に危険だと思う選択でも危険を選ぶ権利も自由の権利の一部だ。無理やり処方したって医療者は患者のそばで24時間つきっきりで監視はできない。服用したくないと思えば、そうしてしまうだろう。だから患者の承諾なしに処方したり検査に送るのは無意味に近い。もちろんこちらは治療計画の有効性や確率について説明している。それを理解した上でことわる。

Refuseを使いたくなる。

しかし彼女はrefuseではなくmade a choice だと言う。

I didn't refuse what you suggested. I chose not follow what you suggested.
だと何度も言う彼女。

んんん〜同じ事なんだろうけど、彼女にとっては大きい差があるらしい。どんな差なのか彼女にじっくり聞いてみたいと思った。もしかしたらchoice は選択の自由(自由の権利)に由来するからパワーを感じるのか???


川を渡るのに丈夫そうな石橋と朽ちている木の橋がありました。私は石の橋を渡ったらいかがですか?と理由をつけて説明したのに、その人は何故か木の橋を渡り川に落ちてしまいました。確かに自分の意思でどっちの橋を渡りたいのか決めた。I made a choice. と言う訳です。しかし He made a poor choice. と言います。私の患者層に多く見る状況です。poor choice の連続で仕事や家を無くす。薬物依存になる、、、、。

Poor choice をしている事を気づかせるにはどうしたら良いんでしょう?!人は人を変える事はできません。本人だけにキーがあるのです。モチベーショナル インタビューがベストのアプローチだとわかっていますが、彼女のこれをするのはエベレスト登頂に等しいものがあると感じる私は未熟だからでしょうか?あーわからなくなる。難しい彼女です。


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