先週は某大学から学園祭でインタビューを流したい、と依頼を受けてZoomでお話をしました。キャリアの授業へ出て欲しいですね〜とその場で言われました。しかしお断りしました。私は自分の中で決めていることがあります。
1、日本からの人材流失の手助けはしない(海外労働を勧誘しない)。
2、看護学士課程の講師はしない。
逆に務めているのは
1、日本の看護界の発展、特にAPN
2、APNの教育の向上
です。よって看護学科の授業依頼はお断りします。日本の看護界の発展という視点ではお手伝いするべきだと思うのですが、普段から日本の教育のあり方に疑問があるのです。
例えば看護科の授業を全て看護師の中で賄っていないのは何故なのでしょうか?例えば解剖生理や病態生理は医師に授業をお願いする。何故看護師が看護師を教えないのでしょうか?本当に教える事ができる人材がいないのでしょうか?そもそも看護に必要な病態生理なので看護の視点で学ぶはずです。医師が看護の実務を理解しているのでしょうか?看護師に必要以上の事を学ばせている可能性もあります。
診療看護師の授業も実習も然りです。何故先輩診療看護師の元で実習できないのでしょうか?同じ職業の先輩に就いた方がよっぽど診療看護師のエッセンスや倫理を学べると思うのですが、間違っていますか?こんなのだから医師の補助とかミニドクターと呼ばれるのではないのでしょうか?
カナダへ来て驚いたのはこれらの点です。講師はその分野の現役エキスパートナース達です(契約で大学で働いている)。何を観察しなければならないか?どうして観察しなければならないのか?どんな危険性があるのか?High Acuityと言うステップダウンユニットで働くために学士課程の一部を取った時に感じました。観察事項と病態生理がきっちり結びつきました。大学で教授と呼ばれる人たちが教える内容はアカデミックな内容です。倫理、看護論、リサーチ、統計学等。基本と呼ばれるものです。特に日本では大学教員の副業を禁止しています。現役でもない人が実務を本当に教える事ができるのでしょうか?カナダのNP教員達はNPとしても働いています(時間数は少ないですが)。常にアップデートが必要な職業。NPとして現役でなければ教育できないからです(できても時代遅れ)。
そして私はNPは学士看護師とは違うレベルの資格と認識しています。教育の背景も給与も異なります。よって看護師ができる事をNPが行うことは給与の無駄遣いと感じるのです。だから断るのです。学士は学士を持っていてその分野のエキスパートと大学のアカデミアが基礎学をしっかり教えるべきだと思うのです。
縦社会で上にいる人に教われば間違いない、的に発展してきた看護教育。それも分野が異なっていても。どうにかならないですかね〜。看護と言う学問と専門性に誇りを持てる看護師達を育てて欲しいものです。