慢性期疾患にはdisease trajectory というものがあります。初期、中期、末期と、診断から死亡までの流れです。
薬物依存も慢性期疾患の一つです。よって同じようにdisease trajectory があります。以前の職場は末期の方が多かったのですが、今の職場は初期から末期までかなりの幅があります。
末期では家も家族も失う人が多いのですが、初期は異なります。支えてくれる家族がいて、家もある。しかし頑丈ではない場合が多い。人間関係とか社会的責務とかキレそうな状態もあります。その場合、切れそうな凧糸を補強すべき 教育にも力を入れます。新鮮だなと思うと同時に、薬物依存の入り口は誰にでも起こりやすいことだと再認識させます。だって仕事も持っていて、母であり、父であり、兄であり妹であり、私たちと変わらない人がそこにいるからです。
心が弱い人、そんな言葉でくくることができないのが依存です。対岸の火事と思わないように。 たとえ日本でも。
冒頭写真: フォートウイリアムには運河があります。丁度、海上保安庁の船が運河の中を進んでいて、その様子を見ることができました。
海に向かって白いパイプの橋が見えている。それが運河の門の数になります。