走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

早めの受診:性同一性障害の場合

2022年08月27日 | 仕事
SNSで日本のビデオを見ました。性同一性障害の子供さんのものでした。以前にも見たことがあるのですが、今回親御さんの言葉を聞いて、あ!と思いました。

思春期前のお子さんで、親はそれを受け入れて、生まれ持った性とは異なる身なりを見守っています。とても良いことです。そのようなサポートがあるかないかで予後は大きく変わります。 気になった言葉は 「思春期を迎えて、生まれ持った性の体つきが現れたら悩みも増える、、」のくだりでした。

思春期の始まる前に性転換治療を始めるのとそうでないと場合は大きな差が出ます。よってカナダBC州では子供病院が中心となり、手遅れとならないように多種職チームによる取組みを進めています。

思春期が始まる前に、本当にその子はわかっているのか?!と思われますか?子供の方がはっきり正直に自分の好きなものを伝えていると思います。

で、思わずそのSNSに「早めの受診を、、、」と書きそうになりました。半分くらい書いたところで気づく、やだ、こんな事をしてはダメ。そう、自分の患者以外に医療的アドバイスをすることは厳しく禁止されているから。免停になるほどの行為なのです。

では、なぜここに書いている?その記事を読んで気づいたのは、もしかしたら日本では性転換医療のヘルスリタラシーが低いかも、と思ったから。特殊な情報は広がりにくい。知らない間に時間は過ぎる。だからここで書こうと決めました。これは個人宛の医療アドバイスではなくて一般的な概論的な社会教育になるから。

性同一性障害は環境や教育で変わるものではありません。ここに書かれているように、メンタルヘルスや自殺率の高さも証明されています。

http://www.ktq-kokoro.jp/lecture/2064

生まれ持った性ではなく、脳が認知している性になる事、それを社会に受け入れてもらえることが、性同一性障害を持った人の健康を促進させます。一人で、家族で悩まずに専門家へ是非相談してくださいませ。性転換医療の知識を持つ日本の小児科医、分泌内科医、医療者の数が多い事を願って。


15歳の決断: 性転換治療 その2 - 走るナースプラクティショナー   ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

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冒頭写真: フェリーに乗っている時に雲のかかる屋久島も見えました。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
山の名前 (te-reo)
2022-08-27 10:44:32
いつもエネルギッシュで興味深い記事、楽しませていただいています。

気が付いたのですが、今回の冒頭写真で”雲のかかる屋久島”と紹介されていますが、開聞岳だと思います。(私は薩摩が本籍だったので)山川・根占フェリーからでは屋久島は遠すぎて、見えないと思います。
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Unknown (missy0806)
2022-08-27 14:33:56
@te-reo 鹿児島へ行くのは初めてですが、開聞岳はわかります。冒頭の写真はピクセルが落ちているので難しいですが、オリジナルの写真は右手に開聞岳。左の方を拡大すると雲を被った島が見えます。もしかして佐多岬の突端?その割にはそれまでは何も見えずにポコんと水平線に背の高い山が見えました。違うのかな、、、
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分かりました、沖の山影は (te-reo)
2022-08-27 15:23:23
失礼しました。
沖に見える擂鉢状の山影は、三島村の硫黄島です。
活火山で、山の上の白く見えるものは噴煙かもしれません。 私も薩摩半島の枕崎から、硫黄島の写真
を撮った時は、こんな見え方でした。薩摩半島から
4、50kmほど離れています。








分かりました、沖の山影は
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