師走になっても本来の寒さは未だ先で、今年の冬も長期予報では暖冬の見込みだそうだ。
夏の異常な暑さに、寒気が緩い暖冬が近年続いている。当方が子供の頃の昭和10年後半代と云えば、70年余も前のことになるが、厳冬の北陸若狭の家々の軒先には、しばしば太くて長い(40~50cm位)氷柱(つらら)が下がっていた。子供達は、長い棒などでその根元を叩いて落とし、チャンバラごっこの道具にして遊んだものだ。
冬場は一晩で1m余の大雪が降ることも何度かあった。囲炉裏と火鉢それに湯たんぽ以外に暖をとる術はなかった。だが、寒さ慣れの為かさほど寒いとは思はなかったから「人はやはり環境の子」で、寒ければ寒いなりに体が環境に順応するのだろう。
でも近年は、恵まれ過ぎて寒さ負けをする傾向が自分も含め、老若男女を通じて観られるので、この傾向が過大化しないように願いたいものである。
とは言え、冬でもそんなに寒くなくなった気候は、我々高齢者には今では有難い現象になっている。だが、地球的視野で観れば近年のこうした温暖化は、先行き憂慮すべき事態を招き兼ねない深刻な問題を内包し、その為の対策が全世界的に求められている。
そこで、今フランス・パリでは、世界150ヶ国の首脳らが集い「国連気候変動枠組み第21回締約国会議」(通称COP21)と称する国際会議が11月30日から12月11日迄行われている。
この会議の最大の焦点は、気候変動による世界の気温上昇を、産業革命前に比べ2度未満に抑えるための仕組みと合意形成を参加各国が為し得られるか否かが、最大の注目点になっていると報じられている。
確かに地球温暖化の影響で世界の気温は、100年あたり平均約0.7度も上昇し続けている。この傾向は、日本では更に顕著だとのことで、明治31年(1898年)以降100年あたり約1.14度のペースで上がっていると気象庁の公開記事にも出ている。
先日NHKの温暖化関連報道の中で、「・・過去100年間で世界の平均海面水位は約17cm上昇しており、この傾向が更に進んで年平均の上昇気温が3度に上昇すると海面水位が86cmも上昇することになる・・」との解説を聞いた。近未来に本当にそんな状況になると、全世界で86cm以下の沿岸地域が全て冠水し、その結果重大な死活問題が生ずることにもなるだろう。
急激な産業振興に伴う地球温暖化の主な要因は化石燃料の大量消費によるものだが、このことは深刻な大気汚染を齎している中国の環境汚染の実態が端的に示している。報道によるとその大気汚染が特に深刻な北京では、微小粒子状物質亥{PM2.5}を含む汚染指数が日本の10倍以上の「危険」レベル(301~500)を遥かに超えることも珍しくないそうだ。
こうした温室効果ガスの三大排出国たる米国、中国、インドなどは、今回のCOP21参加にあたりかなり前向きな排出規制目標を示してはいるようだから、その点では大きな前進であり、COP21の会議がどんな最終合意を打ち出せるのか世界が注目している。
いずれにしても、地球温暖化防止又は規制は人類共通の目標であり、使命なのだから国の面子や立場・国益を越えて“地球の未来を救うために一つになってより良い合意形成”を是非成し遂げて貰いたいものである。
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