1.侮る莫れ・・軽微で早期であっても「がん」は「癌」
これ迄「がん」で他界した当方の縁者知友人の中には、受診・治療が後手になったり、治療先が結果的に適当でなかったりして逝ってしまった人もいる。
当方の実母や叔父・伯母の多くも「がん」で亡くなっているし、強健だった二人の親友も「がん」で早世している。そんなこともあり当方の意識の中には、「がん」は、「不治の病・怖い病気」だとの認識が消えていない。
医学の進歩は目覚ましくても「がん」の特効薬として一般に認知されている医薬は未だない。だから、「がん」の中では、自分の「がん」は、序ノ口的な位置づけの「胃癌」ではあるが、当方は「大事を取って定評のある医療機関で、後顧の憂いなき治療を受けたい」旨妻子にも伝えていた。
2.地元総合病院でのレントゲン(胸部及び腹部)検査及びCT検査
胃癌判明後、Tクリニックの内科担当医から、地元のT&U病院を紹介され、そこで、疑わしい病変が他にないか否かを確認する検査を受けることになった。
当方係りつけのクリニックには、このT&U病院からの派遣医師が多い。Tクリニックで胃カメラ検査を担当して呉れたM医師は、同院・消化器内科内視鏡担当の主治医だったので、データは共有されており、同院での胃カメラ再検査はなかった。
10月24日、造影剤を用いてのCT検査及びレントゲン検査それに問診等を一日がかりで受けた。10月31日、M医師から一連の検査結果について画像等を基に詳しい説明を聞いた。
その結論は、「他臓器には、がんと思しき病変は特に認められない。しかし、左肺に気管支炎の影が認められる・・」とのことだった。気管支炎の影のことも気になったが、それよりも、もし、他の臓器や部位にも癌化した病変があれば、その後の治療手順も変わったことだろうし、検査・入院期間もかなり長くなったことだろう。
3.気管支炎の疑いとピロリ菌検査の陽性反応
気管支炎の疑いについては、確かに9月初旬頃からそれらしい自覚症状は出ていた。風邪で咳・痰が抜けず、食欲もあまり進まない時期が1週間余も続いていたけれども、家庭薬の服用で治まりつつあったので受診はしていなかった。
10月31日の検査結果説明受の際も、医師からは「抉(こじ)れれば肺炎で入院を要する病気」であり、悪化した場合の症例を聞かされ注意を受けた。
自分は過去に急性肺炎歴もあり、程度の差はあるが似たような症状は何度も体験済みなので、「気管支炎の症状」を軽く診て受診しなかったのは間違いだったと反省させられた。
血液検査では、「ピロリ菌の陽性反応」も出た。胃炎や胃潰瘍など胃の病気に深く関って いるとされるこの胃内雑菌の存在も確認され、除菌は胃癌の手術後、期間をおいて別途治療するよう診断された。
4. 治療先の選択とセカンドオピニオンの利用
諸検査結果説明を全て終えた10月31日の午後、M担当医から最後に、じ後の治療予定について説明を受けた。その際、「手術は6ケ月以内ならば内視鏡による手術は可能だ。時期が遅れれば転移のリスクも上がるので、早めの手術が望ましい。手術時期をいつ頃にするか」について調整を求められた。
M医師の経歴は公表されているし、クリニックで胃カメラ検査を受けた時以来、この医師なら信頼出来るとの予感もあった。なので、当方はT&U病院での手術を希望した。ところが妻・長女達は、より信頼性の高いとされる専門医での治療を受けるよう具申して来た。
5.医師も了解の「セカンドオピニオン」風潮
妻子同席の場で、妻が「先生、今日までお世話になっているのに、失礼ですが、今からでも他の病院で再度診て頂くことは可能でしょうか・・」と質問した。
M医師は表情さえ変えず、「当院でもご主人の胃癌の治療は私とそのスタッフで十分可能です。でもセカンドオピニオンを選択されるようであれば、紹介状も書きます。がんセンター病院等を希望されますか・・最近は時折、そうしたご家族もおられます・・」と返答して呉れた。
昔は、途中からの無断転院や二股受診などは、医者に対する背信行為だとの不文律もあったやに聞いていたので、嫌味のないM医師の対応に内心「ほっとした思いと意外な思い」がした。
そんなやり取りの後、M医師を交えその場で相談の結果、国立がんセンター中央病院(都内築地)で外来相談・診察を最初から受け直すことになった。
2日後の11月2日、同病院で、国立がんセンター病院消化器内視鏡科あての紹介状と今までの諸検査データを収録したCDを受取り、受診先の転院準備を終えた。
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