変な標題だが、6月12日のシンガポール会談をほぼ終日TV視聴し、就寝前「日誌」にその感想を「北朝鮮の金委員長と米国の・・・・」」と書き出したところで、大統領の名前が出て来なかった。あの独特な顔や表情は、脳裏に鮮明に浮かぶのだが、あれこれ名前をイメージし、脳内回路を繋いで探り出そうと30~40秒程もがいても思い出せかった。
こんな経験は全く初めてのことだった。PCか手元のスマホで「米大統領」と入力検索すれば直ぐ解ることだけれども、悔しいし脳に印象付ける為、敢えて紙に、アイウエオの頭文字を書き、順にチエックしてやっと「トランプ」名を思い出した。
元々お脳も弱い「ぼんくらオジン」もここまで、脳内「海馬」の老化が進行しているのか・・と我ながらその時は実に聊か哀れな思いもした。でもこれは、何かの原因による「単なるもの忘れ」だろうと勝手に解釈、特に気にはしていない。だけれども、老化と共に心身の変化は、こうして、ある日突然未経験の事象となって現れることを改めて知らされた。
ところで、多分「今年の世界の10大ニュース」のTOPに位置づけられるであろう、米朝会談が遂に実現した。昨年末頃迄は、互いに悪口雑言、非難罵倒し合っていた国の代表が、史上初めて直接会談の機会を持ち、対立から和解・平和の路線を求める舞台の入口に立ち、合意内容を全世界に向け発信した政治的意義は極めて大きい。
確かに今回の合意内容には、完全非核化の時期・検証方法等が明示されていない等具体性に欠け総論ばかりで不完全なものだとの指摘も多い。
しかし、敵対関係にある両国が、当面その終焉に向けた対話の土台を築き、今後対話の幅と奥行きを広げる道筋をつけた政治的な意義は極めて大きいし、それが今次会談の最大の成果ではなかろうかと思う。
トランプ大統領も、内心はこの若蔵、中々わいと思ったと観え、金正恩委員長のことを、「聡明で物怖じしない人物だ」と認識したようだ。
面子よりも安全を最優先し、中国機を借りて首脳会談に臨む国の首領は、後にも先にも金委員長が最初で最後だろう。だがそんなことは別にしても、同委員長は、映像で見る限り、確かに、天下の大統領と堂々対等に対話していた。その様子からは、36歳?とは思えない外交経験も豊かな指導者のようにも見受けられた。
かって、民主党政権下の菅元首相が、中国の胡錦涛主席が来日時(2010.11)、メモを片手に対談していた姿とは大違いで、同委員長にもかなりの緊張感はあっただろうが、鳩菅元総理にない独特の風格さえ感じられた。
人物像としてはそんな評価も確かにあるだろう。しかし、我々は、北朝鮮という国とその首領の3代に亘る闇の部分を決して見逃してはならないし、日本の対北政策を当面緩めるようなことがあってはならない。
トランプ流儀で政治的「取引き」に出たその結果についての評価も米国内では、観方が分れているが、米朝関係が今後「更に前進することはあっても決して後退」することがないことを切に願いたいものである。
米朝会談の次に、金委員長も「日朝会談」を意図しているとのことなので、多分年内には日朝首脳会談が設定され、拉致問題等諸懸案の解決に向けた動きが加速するだろう。
願わくば、北朝鮮が、過去幾度となく国際公約や慣例を反故にして来た外交上の前科を謙虚に反省し、誠意を仇で返すような過去の対日外交は、もはや北朝鮮にとっても自国の国益にならないことを再認識し、次の日朝交渉においては、拉致問題をはじめとする諸懸案の解決に向けた誠意を示し、かつその裏付けを具体的処置策で示す誠意を切に期待したいものである。 H30.6.14記
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