気心は未だ若い「老生」の「余話」

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 雑感を主に綴った呆け防止のための雑記帳です。

諸々の思い込み考

2014-07-16 06:31:58 | 時評

17日付けの朝日新聞「天声人語」にクイズのような次の小話が出ていた。「父親と息子が車に乗っていて事故を起こし、大怪我をして別々の病院に運ばれた。すると、息子が運ばれた病院で、出てきた医師が「これは、私の息子です」と云ったという。この一節を読んで、これは一体どういうことか、と変に思った方は、医者=男性という思い込みがあるから、簡単な話も難問に思えてしまう。

この小話は、エッセイスト織田 正吉著「笑いのこころユーモアのセンス」に出てくる一文である。」との書き出しに続けて、「天声人語」は、この話は、医師に限らず、女性の社会進出が進む北欧あたりの国ではクイズとしては成立しないだろう。しかし、男女平等度が136ヶ国中105位(世界経済フォーラムH25年度調査結果)の日本だから成立つ小話なのだろうとコメントし、女性の社会進出の推進を訴えている。こうした現状に鑑み、最近は政府はじめ民間企業も、女性を上級管理職に登用する人事管理を推進中であるけれども、日本社会全体の中での男女平等度には、まだまだ格差があり過ぎる。

観点は違うが最近、思い込みに関し、やっぱりそうだったのかと知ったこともある。それは、先日マスコミが盛んに取り上げていた、兵庫県野々村県議・号泣記者会見のあの場面に関してのことだ。件の号泣会見場面は、約1時間30分余の記者会見t中、僅か2分程の間の出来事だったのに、何度もあの場面のみがクローズアップされて知らされたが故に、当方もあの場面はかなり長く続いたのだろうと誤解してしまっていた。これも変な思い込みが人の認識をそうさせた例ではないかと思う。

世の中には思い込みや誤解・勘違いが不幸な悲劇に繋がることもある。17日ウクライナ東部上空で乗員乗客298人乗りのマレーシア航空機が撃墜される悲劇が起きた。その直接原因が、一部報道されているように領空通過機=敵性軍用機と誤認した親露派による対空ミサイルの誤射によるものだったとすれば、この悲惨な重大事件は、意図的に行われた1983年9月の大韓航空機撃墜事件とは違った意味で「思い込み=誤認による史上最悪で最も悲惨な撃墜事件」だったと云わざるを得ないであろう。合掌

 


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