行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

宗教は教育の根本

2010年06月22日 | 禅の心
山田無文老師は、愛知県のご出身で臨済宗妙心寺派管長と花園大学学長を歴任されました。老師が亡くなられたのは、昭和63年のことでした。昭和という時代の終わりとともにこの世を去った巨星だったと思います。

私が思うところでは、朝比奈宗源老師、大森曹玄老師など鎌倉や東京の老師は厳しく、父性的な禅風であるのに対して、山田無文老師、柴山全慶老師など、京都で過ごされることの多かった老師は、穏和で、母性的な禅風であったと思います。

無文老師がよく言っておられたことは、宗教は教育の根本でなければならないということでした。今の教育には宗教がないことを嘆いておられたような気がします。
そもそも、道徳は、権力者が民衆を支配しやすくするためのもので、時として変わっていきます。しかし宗教は永遠不変の真理なのです。
人のものを盗んではいけない、人を殺してはいけないというのは道徳です。人のものを盗ることができない、人を殺すことができないというのが宗教です。
ただ、今の日本には宗教がないのが現実です。
宗教のないところに現代日本の悲劇があるのかもしれません。

コメント (1)
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