行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

『水五則』講話(1)

2012年02月24日 | 禅の心
「みずから活動して他を動かしむるは水なり」・・・・・『水五則』講話(1)

『水五則』は、作者不明ですが、豊臣秀吉家臣の黒田如水(黒田官兵衛:黒田孝高)が座右の銘としていたことで有名です。かつては、『水五則』は黒田如水の作であると言われていましたが、定かではありません。ただ、儒教的というよりも、道教的な内容なので、儒学者の作ではないと思います。「水は方円に従う」と言いますが、水は相手に合わせることができます。そしてリーダーや先生は相手に合ったように指導していくのです。人徳のない人がいくら率先してやってみせても、人はついてきません。人を怒鳴ったり脅かして言うことをきかせることはできるのかもしれませんが、それでは部下や生徒が自らすすんで仕事や勉強をやる気にはなれないでしょう。さて、「みずから活動して他を動かしむるは水なり」は、リーダーや先生が率先して手本を示して、部下や生徒にやらせてみるという意味にとられがちですが、私は、それだけではないと思います。相手の長所をみつけて、褒めて励ましてあげることが、よきリーダーや先生の条件ではないでしょうか。さらにリーダーや先生には、温かい心や人徳が必要ですリーダーや先生には柔軟な心が必要です。力で部下を押さ
えつけていると、部下は他にそのはけ口を求めてしまいます。あるいは気力がなくなってしまいます。これでは組織全体がうまくいくはずがありません。柔軟心は活力の元なのです。
コメント (1)
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