行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

【寒山詩】ゆったり生きよう  

2016年06月21日 | 禅の心
重巌我卜居 

鳥道絶人迹

庭際何所有

白雲抱幽石

住茲凡幾年

屢見春冬易

寄語鐘鼎家

虚名定何益



(寒山詩-1)



重巌に我れ卜居す

鳥道人迹を絶つ

庭際何の有る所ぞ

白雲幽石を抱く

茲に住して凡そ幾年ぞ

屢しば春冬の易わるを見る

語を寄す鐘鼎の家

虚名定からず何の益かあらん



山深く巨岩の重なったところに、私はやっと住居を選び定めることができた。

ここは鳥だけが通う険しい細い道で、まだ人の訪れたことのない静寂なところである。

家の庭のほとりで、自分を楽しませてくれるものは何であろうか。

そこには白雲が無心に苔むした巨石を抱きかかえるように漂うだけで、ほかに煩わしいものは何もない。

ただ雄大な自然があるだけである。

私はこの岩穴に居を構えて何年になるのか覚えていないが、春が来てまた冬になることを何度か経験した。

世間のお金持ちの方々に申し上げたい。お金もうけや、名声を求めることははかないことで、何の益もないのですよ。


80年あまりの人生をあくせく、ガツガツ生きるのはやめましょう。死ねばあの世にはお金を持っていくことはできません。

自分らしく、ゆったりと生きましょう。




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