行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

堪え忍ぶ世の中

2010年01月15日 | 禅の心
京都市北区・紫野大徳寺

昔、「近所の○○さんが、刑務所から娑婆に出てきんさんった。」

などと言っていました。

この場合の「娑婆(しゃば)」というのは、一般の人間の住む世の中という意味です。

しかし、「娑婆」はサンスクリュット語の「サーハー」の音訳で、

漢訳すれば、「忍土=堪え忍ばなければならない世の中」という意味になります。

刑務所の中の方が、堪え忍ばなければならないような気がしますが、もっともっと耐えなければならないのが、この世の中なのです。

「娑婆」世界では、

「自分も未熟で不完全な人間なのだから、ひと様の失敗も許してあげよう。お互い様じゃあないか。」

という、考え方でみんな生きていくことになります。

しかし近年、欧米の考え方の影響で、何かあるとすぐにクレームをつけたり、訴えたりする風潮が強くなりました。

本来の日本人は、寛容の心をもった民族です。

インターネットを見ても、誹謗、中傷、攻撃が多いのを見ると、悲しいものがあります。

娑婆世界では、お互い様なのです。

我慢できるところは、我慢していきたいものです。
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