行雲流水

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そつ啄同時

2014年03月18日 | 禅の心
啐啄同時

 卵の中のヒナ鳥が卵の殻を破って出てこようとするときに、母鳥が外から嘴で卵の殻を軽くつついてやります。しかし、卵の殻を破るのは母鳥ではなくあくまでもヒナ鳥なのです。人間をはじめ、哺乳類が生まれてくるときも同じです。生まれてくる子供の生命力によって生まれてくるのであって、母親は必要な栄養を供給するだけなのです。
このように親は子供が生まれてくる手助けをしてやるに過ぎず、子供の生まれてこようとする力が大事なのです。啐啄同時は親鳥がヒナを助けてやるのではなく、ヒナの生命力を支援してやっていることなのです。
 これは教育全般についても言えることです。先生が教え込むのではなく、子供たちの勉強の支援をするという考え方が大事なのです。啐啄同時は禅語ですが、親鳥とヒナ鳥の関係を師匠と弟子の関係になぞらえたものです。
 親と子、先生と生徒の絶妙なタイミングが大きなものを生み出す力となるのです。


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