哀愁のハブダンパー!!

2008年01月29日 | サービスセンターより愛をこめて…

皆さんこんにちは、市川サービスセンター渡辺 陽介です。

今回のお話は、F650GS・GDのリヤホイールハブダンパーです。

いきなりですが、BMWはF650(ファンデューロ)が登場したことによって、

チェーンドライブ方式を採用しました。

チェーンドライブ・ベルトドライブには、リヤスプロケットと、

リヤホイール内、ハブダンパー(ゴム)という、衝撃緩衝材が取付けられています。

まず、エンジンの駆動力は、エンジン外部のドリブンスプロケットを回転させます。

その回転を、チェーンまたはベルトで、リヤホイールに装着されている

スプロケットに伝えます。

そして、スプロケットと、ホイールの間に挟まれているハブダンパーを介して

最終的にホイールを駆動しています。(簡単な動力伝達経路の説明です。)

じゃあいったい、ハブダンパーとはなんなのよ!!

ハブダンパーは、駆動力を直接ホイールに伝えるのではなく、

ゴムを介することによって、より滑らかに伝達出来るようにする為の部品です。

この部品があることで、チェーンやスプロケットなどのパーツに、

急激な力が伝たわらずにすむので、各パーツの耐久性も向上します。

しかし、ハブダンパーはゴムですから、約2万~3万kmも走行すれば

ダンパー自体も摩耗・変形します。

そうすると、ホイールとスプロケット間のガタつきが大きくなっていきます。

結果、動力伝達にタイムラグが出たり、衝撃が発生します。

具体的には、タイヤ交換やチェーン交換のタイミングで同時に

交換することがお勧めです。

交換するには、タイヤを外す必要がありますからね!

じゃあ、実作業です!    まずリヤホイールを外します。

Mvc001f Mvc003f

右の写真は、既にスプロケットが外れています。そのホイールの中心に

黒いゴムが3個いますね。

そのゴムに隙間が3箇所あるのがわかりますか?

本来その隙間にスプロケットハウジングがはめ込まれています。

Mvc004f

この車両は約3万5千km走行して初めてのダンパー交換ですが、

写真中央にゴムのカスがありますね。これは、ダンパーが摩耗して剥がれ落ちた

ゴムの破片です。

このように、強い力を受け止めているダンパーは自分の身を削り、

やせ細っていくのです。

Mvc005f Mvc006f

そしてホイールハブ内を清掃して新しいハブダンパーを装着します。

これで、アクセルを大きく開けた時に何だかワンテンポ遅れて

加速するなんてことはありません。スムーズに加速して行きますよ!

ただ、チェーンなどが伸びていたり、チェーンの遊びが適切でなければ

ハブダンパーも効果的に機能しません。日頃から、チェーンの点検や清掃・給油

を宜しくお願いしますね!

ダンパーのチェックは、バイクを停車状態でリヤスプロケットを

持ち、揺さぶって下さい。新車状態ですとほとんど動かないはずです。

ヘタってくると「ガタガタ」とスプロケットが動きます。チェーン交換2回に1回

交換してあげればいい状態をキープできると思います。(走行状況で変わります)

普段は見えない哀愁のハブダンパー・・・F650GS・GD 一式7200円(部品代)


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