皆さんこんにちは、市川サービスセンター渡辺 陽介です。
今回のお話は、F650GS・GDのリヤホイールハブダンパーです。
いきなりですが、BMWはF650(ファンデューロ)が登場したことによって、
チェーンドライブ方式を採用しました。
チェーンドライブ・ベルトドライブには、リヤスプロケットと、
リヤホイール内、ハブダンパー(ゴム)という、衝撃緩衝材が取付けられています。
まず、エンジンの駆動力は、エンジン外部のドリブンスプロケットを回転させます。
その回転を、チェーンまたはベルトで、リヤホイールに装着されている
スプロケットに伝えます。
そして、スプロケットと、ホイールの間に挟まれているハブダンパーを介して
最終的にホイールを駆動しています。(簡単な動力伝達経路の説明です。)
じゃあいったい、ハブダンパーとはなんなのよ!!
ハブダンパーは、駆動力を直接ホイールに伝えるのではなく、
ゴムを介することによって、より滑らかに伝達出来るようにする為の部品です。
この部品があることで、チェーンやスプロケットなどのパーツに、
急激な力が伝たわらずにすむので、各パーツの耐久性も向上します。
しかし、ハブダンパーはゴムですから、約2万~3万kmも走行すれば
ダンパー自体も摩耗・変形します。
そうすると、ホイールとスプロケット間のガタつきが大きくなっていきます。
結果、動力伝達にタイムラグが出たり、衝撃が発生します。
具体的には、タイヤ交換やチェーン交換のタイミングで同時に
交換することがお勧めです。
交換するには、タイヤを外す必要がありますからね!
じゃあ、実作業です! まずリヤホイールを外します。
右の写真は、既にスプロケットが外れています。そのホイールの中心に
黒いゴムが3個いますね。
そのゴムに隙間が3箇所あるのがわかりますか?
本来その隙間にスプロケットハウジングがはめ込まれています。
この車両は約3万5千km走行して初めてのダンパー交換ですが、
写真中央にゴムのカスがありますね。これは、ダンパーが摩耗して剥がれ落ちた
ゴムの破片です。
このように、強い力を受け止めているダンパーは自分の身を削り、
やせ細っていくのです。
そしてホイールハブ内を清掃して新しいハブダンパーを装着します。
これで、アクセルを大きく開けた時に何だかワンテンポ遅れて
加速するなんてことはありません。スムーズに加速して行きますよ!
ただ、チェーンなどが伸びていたり、チェーンの遊びが適切でなければ
ハブダンパーも効果的に機能しません。日頃から、チェーンの点検や清掃・給油
を宜しくお願いしますね!
ダンパーのチェックは、バイクを停車状態でリヤスプロケットを
持ち、揺さぶって下さい。新車状態ですとほとんど動かないはずです。
ヘタってくると「ガタガタ」とスプロケットが動きます。チェーン交換2回に1回
交換してあげればいい状態をキープできると思います。(走行状況で変わります)
普段は見えない哀愁のハブダンパー・・・F650GS・GD 一式7200円(部品代)