【廃用性萎縮】という医学用語がある。平たくいうと使わない機能は必ず衰えるという意味だ。相撲取りが現役時代にはでっぷり太っているが、引退して親方か何かになると、普通に背広を着ていてもおかしくないほどやせてくる。あれも一種の廃用性萎縮だ。
筋肉や脳や骨など使わないでいるとやせ衰える、呆けは始まるし、骨はもろくなってしまうものだ。長期入院した老人には、大腿骨の股関節内で骨折が起こりやすい。
フランス . . . 本文を読む
【老いてますます盛ん】
私の従兄弟は、今年87歳で来年は米寿になるが、乗用車(普通車)と軽トラをもち、付加価値の高い有機野菜を栽培して、農協を経ないで広島市内の市場に卸している。力仕事も平気だし、呆けの徴候はない。パソコンも自由に使いこなし、三次中央病院の頭部CT写真もDVDに落としてもらって、今彼の妻が入院している病院に届けたそうだ。DVDのコピーは簡単にできるので、パソコンのHDにバックアッ . . . 本文を読む
【大学ランキング:日本】
「週刊毎日」に続いて「週刊朝日」まで、有名大学進学者数を報じている。受験で面接を導入しても、予備校で面接の際のテクニックまで教えるから、本当に医師としての素質があるかどうかは、分からない。本当は東大医学部入学者の無留年卒業率と医師国試合格率を報じるべきだ。朝日も毎日もかつては「学歴主義」に反対していた。その結果、はびこったのは学歴ロンダリングだ。より下位の大学を卒業し、 . . . 本文を読む
【広島大について】 飯島宗一学長の時代に、広島大学は東広島市に百万坪のキャンパスを確保し、「医歯薬系」を除いて東広島市に移転した。キャンパスが広いので、建て増しの余裕はたっぷりある。「生物生産学部」は広い農場と漁業の実習船を持っている。理学部には高い山の上の天文台もある。
メインキャンパスは古代都市アテネとほぼ同じ広さで、キャンパス外壁の内側にある遊歩道を歩くとちょうど一里あり、1時間かかる。私 . . . 本文を読む
【医学資料館あるいは医学博物館の役割】
問題のCPCの患者は30歳の男性で、梅毒が生殖器から内臓や骨にひろがった第二期梅毒だった。当時は抗生物質もなく、砒素や水銀剤が治療に使われており、副作用がつよかった。レントゲン撮影もない当時のハーバード大附属病院のカルテから、一流専門医と病理学者が討議しながら、病名と病気を決める。結論は病名に間違いはなく、今日の基準では梅毒は二期でなく、三期であるという点 . . . 本文を読む