ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ヒマラヤの雪男】難波先生より

2017-12-31 14:28:41 | 難波紘二先生
【ヒマラヤの雪男】CNNが<米ニューヨーク州立大バッファロー校の女性教授が、ミトコンドリアDNAの解析により、「ヒマラヤの雪男(イエティ)の遺物」とされるものはすべてクマのものであることを証明した、と報じていた。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35111208.html
 先行研究があり、<今回の研究に先立って、14年にも、イエティとみられていた「特異な霊長類」の体毛のサンプル30点について遺伝子解析が施され、旧石器時代のホッキョクグマなどさまざまな普通の動物のものであることが判明していた。>とある。

 ヒトのミトコンドリアDNAの種内変異を解析して、カリフォルニア大バークレー校のレベッカ・キャンらが「ミトコンドリア・イブ説」(人類の「出アフリカ」説)を提唱したこと(1987)は有名だが、同じDNAが「種の同定」にも使えるとは知らなかった。

 ヒマラヤの氷河の上から、「雪男」の足跡が発見されたのが、1951年だそうだから、実に66年ぶりに謎が解けたことになる。

<ネパールやチベットの人里離れた山岳地帯に住むと一部で信じられている雪男「イエティ」の体毛や骨は、ヒマラヤに生息するクマのものだった。(中略)
 当初は架空の生物と考えられており、ネパール人は子どもたちが人里離れた場所にさまよい込むのを防ぐため、イエティにまつわる物語を話して聞かせていた。
 イエティは、現地のシェルパの言語では「そこにいるもの」を意味する。イエティに関する話が欧米の人々の想像力を捉えた際に、「忌まわしい雪男」と誤訳された。>

 とあり、当初は「こどもを戒めるための架空の生き物」だった民話を、西欧社会が「実在する」と信じ、ついで日本でも信じられたことがわかった。

 この手の話はよくある。筆者も子供の頃、夜一人歩きすると「モーロンどんが出る」と伯母から何度も聞かされた。幽霊やお化けなら恐ろしくないが、「モーロン」という意味不明の言葉の響きが怖かった。

 広島県北部でも1970年代以降、比婆山のヒバゴンやツチノコが話題になったが、写真撮影や捕獲に成功した例はなく、すべてヒマラヤの「雪男」と同じだろうと、私は考えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%90%E3%82%B4%E3%83%B3

 「毛深い雪男」が実在するとすれば、人類学的拡散からは考えにくいが、「ネアンデルタール人の末裔か?」と思っていたので、今回の研究により「非人類」と判明してほっとした。

 孔子は「鬼神は敬してこれを遠ざける。それが智というものだ」(「論語」巻の三、第22)と弟子に述べているが、「子 怪、力、乱、神を語らず」(「論語」巻の四、第20)ともあり、合理主義者だったのだと思う。
 政治であれ科学であれ、私は「フェイク」が嫌いだ。




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