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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【知の逆転】難波先生より

2013-03-09 22:15:29 | 難波紘二先生
【知の逆転】という本は、NHKディレクター吉成真由美のインタビュー・編による。NHK出版から2012/12に出て、2013/2に6刷になっている。
 J.ダイアモンド、N.チョムスキー、O.サックス、M.ミンスキー、T.レイトン、J.ワトソンという、現在世界の知の巨匠6人に対するインタビュー内容だ。


 「知の逆転」というタイトルは吉成により明示的に説明されていないが、インタビューされた人たちが揚げている推薦図書を見れば明瞭だ。
 小説を読むと答えた、ミンスキーとレイトンはSF作家しかあげていない。ダイアモンドはソローの「森の生活」、ツキジデス「ペロポネソス戦争史」、シュバイツァー「バッハ」の3冊をあげている。ダーウィンの「ビーグル号航海記」、「種の起源」は古典として2人があげている。レイトンはハーディ&ライト「数論入門」をあげている。数論というのは数学の基礎論で、数学の中でもっとも難しい分野だ。私もデデキント「数について」くらいしか読んでいない。


 83歳のワトソンが「生きているうちに逝く」のが一番だ、といっている。高額の医療費を使って半年やそこら、ぼけた命を延ばすのはむだだという。(近藤誠の本も同じことを述べている。)
 バンに自殺装置を積んで、末期患者の安楽死を幇助してまわったため、投獄されたジャック・キボキアン医師は「やがて殉教者になるだろう」とも。
 ワトソンの魅力は「政治的正当性(political correctness)」など気にせず、思ったことを率直に口にする点だ。
 チョムスキーも「エリート大学はもっとも従順な学生を選抜し、体制順応者を生産する」と語っている。「東大法語」の話者だ。


 吉成は「文系の知よりもいまや理系の知が重要であり、価値の逆転が生じつつある」と言いたいようだ(タイトルで)。しかし私はそうは思わない。
 終わったのは小説の時代、文学の時代であり、E.O.ウィルソン「CONSILIENCE: The Unity of Knowledge」(邦題:知の挑戦)角川書店、が主張したように、19世紀になって分裂したScientia(諸学科)の再統合なのである。


 「知の逆転」を面白く読めるのは人口の5%以下だろう。従ってこれが東京ではベストセラーに入り、田舎都市広島の本屋では売れないのは当然だろう。
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