ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【400キロ防潮堤】難波先生より

2014-06-03 14:09:42 | 難波紘二先生
【400キロ防潮堤】
 Nスペ「防潮堤400キロ」を見た。全体としては、わさび抜きで刺身を食わされた感じ。
田老地区の人たちは高さ15メートルの防潮堤を新設することに合意する前に、「伊勢湾の護岸堤防」を見学に行ったのだろうか?3年前の5月に、同じ標題でこう書いた。
 http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/dd0d3fd569b4aa0090941c477bc80963
 「昭和の三大バカ査定」とは旧大蔵省幹部の口伝で、戦艦大和、青函トンネル、伊勢湾の護岸堤防のことだ。防潮堤400キロの総工事費は1兆円だという。財源は国債だ。それでも透析医療費の1.5兆円に比べれば少ないのだが…。
 伊勢湾の護岸堤防は1959年の伊勢湾台風による高潮被害の後に建設された。
 志賀重昂の『日本風景論』は岩波文庫だけでなく、講談社学術文庫版も今年出たので、もう少し読まれているかと思った。ポイントは日本の太平洋岸は、プレート潜り込みのため、絶えず隆起するという点にある。だから遠浅の海岸で白砂青松となる。日本海側はこうはならない。
 30年もすれば、海岸線は沖に退き、堤防は陸地のど真ん中に屹立する。現に伊勢湾や田老町の旧堤防がそうなったように、陸地化した堤防の外に人家ができるだろう。当座の生活費のために、坪単価6,000円で1反(300坪)の土地を売った農家は、やがて後悔することになろう。
 本田靖春『村が消えた』(講談社文庫)は、国策に翻弄されたむつ小川原(現青森県六ヶ所村)の農民たちの悲劇を描いた秀作だ。これも昨年の9月に論じた。
 http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/0768a4a089495a37c8d4adeec4cbaba0
 世界は「複雑系」だが、「人間のおろかさ」という単純な法則により、きちんとリンクが張られているようだ。こうなると「平成の三大バカ査定」を考える必要があろう。他はさておいて、「三陸防潮堤」が入ることはまず間違いないだろう。
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