ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【アルビノ狩り】難波先生より

2017-10-02 16:38:07 | 難波紘二先生
【アルビノ狩り】 9/17AFPがモザンビークで黒人のアルビノ少年が、「アルビノ狩り」に遇い、身体各部と脳まで奪われたと報じている。呪術目的に利用するのだそうだ。
https://dot.asahi.com/afp/2017091700020.html
 モザンビークはタンザニアの南に位置する国で、東にはマダガスカル島がある。
https://www.google.co.jp/maps/@-3.5125815,35.1012075,3.71z
 古くからバンツ族黒人の土地だが、16世紀初頭からポルトガルの植民地になった。1951年の独立後も、国名、公用語はポルトガル語だ。人口は2300万人程度だがその約半数が土俗宗教の信者(ペーガン)だ。識字率が50%だというから無理もない。

 アルビノ(Albino=白子)は皮膚のメラニン細胞に色素メラニンを産生する機能の障害があるから発生する。皮膚色と脳や内臓の機能とは何の関係もない。1970年代、米国で初めて黒人死体の病理解剖を見学した際、ひとたび開腹したら内臓の景観は日本人と何の変わりもないのに驚いたことがある。無意識のうちに私も黒人に対する差別意識を持っていたのだ。

 ビクトル・ユーゴーの「氷島奇談」(「世界の文学7」中央公論社)に、毛深い巨人「アイスランドのハン」が出て来る。アイスランドに伝わる伝説を小説にしたものだ。マイクル・クライトンの小説「北人伝説」は「アイスランドのハン」が実はネアンデルタール人の生き残りである可能性を示唆したものだ。最近、化石人骨のDNA鑑定により、ネアンデルタール人の遺伝子の5%程度は現生人類に受け継がれていることが確定した。(スヴァンテ・ペーボ「ネアンデルタール人は私たちと交配した」文藝春秋 , 2015/6)

 体毛の有無と脳細胞の関係はヌードマウスという無毛マウスで発見された。このマウスは細胞性免疫が欠如しており、それは胸腺の欠如と関係している。無菌状態でないと生存・生殖できない動物だ。正常な脳細胞にある抗原が発現していないことが知られているが、知能との相関はないはずだ。
 もし無毛で皮膚色が黄色である人種の方が、白人や黒人よりもIQが高いという結果が得られたら、政治的大論争を巻き起こすことが明らかだろう。
 「アルビノ狩り」などという、無知で野蛮な迷信など一日も早く捨て去ってもらいたい。それは「黒人の劣等感」の裏返しに過ぎない。

 かつて広島に来て、銭湯に行ったアメリカの恩師が、「我々白人はゴリラに近いのではないか。色は白いが、身体はでかいし、体毛がよく発達している。日本人には胸毛も背毛もなく、皮膚色も黒人のように黒くないし、体格も中柄だ」と観察結果を話すのを聞いたことがある。
 バンツ系黒人は元西アフリカにいて、次第に東海岸まで広がったものだ。10万年前の「出アフリカ」でユーラシア大陸に出て行ったのは、ひょっとすると体毛の濃い別系統の人類かもしれない。東アフリカの大地溝帯に行ってマサイ族も見たことあるが、別に胸毛はなかった。
 私は皮膚色や体毛の有無による人種差別論に組みしないが、恩師の観察(オブザベーション)はその通りだと思う。


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