【歴史認識】日曜日のNHKスペシャルで、「尖閣・竹島」問題について、日韓の研究者による討論会をやっていた。
韓国の学者が「竹島は歴史認識の問題で、領土問題ではない」という。
これがよくわからない。私から見ると、「歴史的な経緯を含めた領土問題」としか思えないからだ。
すると、桜井よしこ氏が韓国のいう「歴史認識」について、上手い説明をしてくれてやっと腑に落ちた。
要するに歴史認識とは「歴史的事実の認識」ではなく、「李氏朝鮮末期から日本が朝鮮に支配力を及ぼし、さらに朝鮮を併合し36年間にわたり支配した」ことに伴う「悪行」の認識なのであり、「韓国側と同じ評価に立つ」ことなのだ、という。なるほど、と思った。
つまり「客観的認識」ではなく、「主観の共有」なのである。これでは妥協とか折れ合いの余地がない。
「歴史的事実」を資料の発掘などにより確定していくことは、ぜんぜん問題にされていない。
「竹島は韓国のものだから、韓国のものなのだ」というのが、「歴史認識」であり、「過去を反省するのなら、日本はこの認識を受け入れるべきだ」、というのである。
「慰安婦問題」について、韓国の学者と同じような主張をしているのが、中央大商学部教授吉見義明である。彼が書いた「日本軍<慰安婦>制度とは何か」(岩波ブックレット, 2010)を取りよせて読んだ。まあ、ひどい本である。秦郁彦「慰安婦と戦場の性」(新潮選書, 1999)で批判されていながら、反批判はまったくない。知らぬふりである。
納得のいく事実の提示はなく、「ともいえるのではないでしょうか」、「といえるでしょう」、「ものと思われます」、「いかがなものでしょうか」というようなレトリックの羅列で、「従軍慰安婦の存在」と「軍による関与」という雰囲気をかもし出している。犯罪的である。
吉見は1946年生まれ、70年東大文学部卒である。その「従軍慰安婦」(岩波新書)は絶版で、目下、古本を手配中だ。
軍慰安婦の月収は1,500円、年収にして1万8,000円、陸軍大将の年収6,600円という事実を提示しながら、「いや業者に50~60%を渡すから、決して高くない。それにインフレが進行していて使用価値は低かった」と慰安婦が低収入だったと強弁している。
まず半分を業者に取られたとしても、それでも陸軍大将より額面での年収が多かったのは事実である。インフレは慰安婦だけに起こったのではなく、陸軍大将にも同じように起こっている。
吉見は日本名「文原玉珠」こと文玉珠の「軍事郵便貯金原簿」の写しを掲載している。
口座開設は昭和18年3月、初回入金額は500円で、以後各月に、700円、550円、900円、780円、820円, 950円と貯金している。相当の高収入であることは間違いない。
秦郁彦は文玉珠の自伝に基づいて、「満州の朝鮮人経営の慰安所で働いていたが、母の病気見舞いを口実に逃げ出し、故郷の大邱でキーセンとして働いていたところ、昔の仲間に金儲けができると誘われて、釜山から船でビルマのラングーンに行き、軍の慰安所で昭和17年8月から働いた」という。
それから「3年足らずで2万余円の貯金ができ、5千円を仕送りした」というのは、上記原簿を見るかぎりウソではない。
こういう都合の悪いところは無視して、「慰安婦の被害」ばかり言い立てるのだから、吉見は「韓国の代弁人」である。
また「資料3」として当時(昭和19年)の「京城日報」、「毎日新報」の「軍慰安婦募集広告」を載せているが、「月収300円以上(前借3,000円まで可)」、「年齢18歳以上30歳以内」などとなっている。業者はいずれも民間である。新聞広告がおこなわれていたことは、慰安婦も慰安婦の斡旋業も、「正当なる職業」として認められていたことを意味する。日本での売春が合法であった時代、つまり昭和32(1957)年の「売春防止法」施行以前に、私はこういう新聞広告を見たことがない。
当時の兵隊の月給が20円である。その10倍以上の月収を払うのだから、応募者はいくらでもあっただろう。別に「強制連行」する必要はない。軍が強制的に集めたのなら、それこそ兵隊の月給程度しか払わないのが当たり前であろう。要するに吉見の主張は矛盾だらけで、韓国の「歴史認識」と同じである。
私は、「異なる国民(民族)間の個体差は、その平均値の差よりも大きい」と思っているから、「日本人は…」とか「韓国人は…」という集団についての全称命題は間違いだと思っている。が、「歴史認識」なるものが、歴史的事実の認識ではなく、「歴史に対する一方的な解釈」にすぎない以上、作家の豊田有恒の次のような指摘にも耳を傾ける必要があると思う。
「韓国人は、ひとつの理念、主張などを振りかざして、ものを言う。理念、主張は、もとより事実ではない。だが、韓国人は、その理念、主張を前提として、自説を言い立てるのである。…ものごとを検証しながら、理路整然と相手を納得させることは、きわめて苦手である。冷静な議論ではなく、罵詈雑言(ばりぞうごうん)に訴えても、相手の意見を圧殺したほうが勝ちだと考える。」(「韓国が漢字を復活できない理由」, 祥伝社新書, 2012 )
周知のように、韓国はベトナム戦争の時に、ベトナムに派兵した。もちろん「軍慰安所」などなかったから、韓国兵によるベトナム人女性に対する強姦事件が多発した。その結果、多数の混血児(ベトナム語で「ライタイハン」という)が生まれ、社会問題となっている。韓国はこれにどう補償したのか? どう謝罪したのか?
元もと日本軍が「慰安所」を開設したのは、第一次上海事変のさいに、兵士による強姦事件が多発し、再発を予防するためだった。
「半軍営」になったのは、軍の威力で慰安婦を集めるためではなく、性病等を予防し、兵の健康を維持するのが目的であった。だからこそ、どこでも軍医が慰安婦の健康管理に当たったのである。マラリアとならんで梅毒、淋病、軟性下患などの性病は、軍隊の戦力を低下させる大きな要因だった。
韓国の学者が「竹島は歴史認識の問題で、領土問題ではない」という。
これがよくわからない。私から見ると、「歴史的な経緯を含めた領土問題」としか思えないからだ。
すると、桜井よしこ氏が韓国のいう「歴史認識」について、上手い説明をしてくれてやっと腑に落ちた。
要するに歴史認識とは「歴史的事実の認識」ではなく、「李氏朝鮮末期から日本が朝鮮に支配力を及ぼし、さらに朝鮮を併合し36年間にわたり支配した」ことに伴う「悪行」の認識なのであり、「韓国側と同じ評価に立つ」ことなのだ、という。なるほど、と思った。
つまり「客観的認識」ではなく、「主観の共有」なのである。これでは妥協とか折れ合いの余地がない。
「歴史的事実」を資料の発掘などにより確定していくことは、ぜんぜん問題にされていない。
「竹島は韓国のものだから、韓国のものなのだ」というのが、「歴史認識」であり、「過去を反省するのなら、日本はこの認識を受け入れるべきだ」、というのである。
「慰安婦問題」について、韓国の学者と同じような主張をしているのが、中央大商学部教授吉見義明である。彼が書いた「日本軍<慰安婦>制度とは何か」(岩波ブックレット, 2010)を取りよせて読んだ。まあ、ひどい本である。秦郁彦「慰安婦と戦場の性」(新潮選書, 1999)で批判されていながら、反批判はまったくない。知らぬふりである。
納得のいく事実の提示はなく、「ともいえるのではないでしょうか」、「といえるでしょう」、「ものと思われます」、「いかがなものでしょうか」というようなレトリックの羅列で、「従軍慰安婦の存在」と「軍による関与」という雰囲気をかもし出している。犯罪的である。
吉見は1946年生まれ、70年東大文学部卒である。その「従軍慰安婦」(岩波新書)は絶版で、目下、古本を手配中だ。
軍慰安婦の月収は1,500円、年収にして1万8,000円、陸軍大将の年収6,600円という事実を提示しながら、「いや業者に50~60%を渡すから、決して高くない。それにインフレが進行していて使用価値は低かった」と慰安婦が低収入だったと強弁している。
まず半分を業者に取られたとしても、それでも陸軍大将より額面での年収が多かったのは事実である。インフレは慰安婦だけに起こったのではなく、陸軍大将にも同じように起こっている。
吉見は日本名「文原玉珠」こと文玉珠の「軍事郵便貯金原簿」の写しを掲載している。
口座開設は昭和18年3月、初回入金額は500円で、以後各月に、700円、550円、900円、780円、820円, 950円と貯金している。相当の高収入であることは間違いない。
秦郁彦は文玉珠の自伝に基づいて、「満州の朝鮮人経営の慰安所で働いていたが、母の病気見舞いを口実に逃げ出し、故郷の大邱でキーセンとして働いていたところ、昔の仲間に金儲けができると誘われて、釜山から船でビルマのラングーンに行き、軍の慰安所で昭和17年8月から働いた」という。
それから「3年足らずで2万余円の貯金ができ、5千円を仕送りした」というのは、上記原簿を見るかぎりウソではない。
こういう都合の悪いところは無視して、「慰安婦の被害」ばかり言い立てるのだから、吉見は「韓国の代弁人」である。
また「資料3」として当時(昭和19年)の「京城日報」、「毎日新報」の「軍慰安婦募集広告」を載せているが、「月収300円以上(前借3,000円まで可)」、「年齢18歳以上30歳以内」などとなっている。業者はいずれも民間である。新聞広告がおこなわれていたことは、慰安婦も慰安婦の斡旋業も、「正当なる職業」として認められていたことを意味する。日本での売春が合法であった時代、つまり昭和32(1957)年の「売春防止法」施行以前に、私はこういう新聞広告を見たことがない。
当時の兵隊の月給が20円である。その10倍以上の月収を払うのだから、応募者はいくらでもあっただろう。別に「強制連行」する必要はない。軍が強制的に集めたのなら、それこそ兵隊の月給程度しか払わないのが当たり前であろう。要するに吉見の主張は矛盾だらけで、韓国の「歴史認識」と同じである。
私は、「異なる国民(民族)間の個体差は、その平均値の差よりも大きい」と思っているから、「日本人は…」とか「韓国人は…」という集団についての全称命題は間違いだと思っている。が、「歴史認識」なるものが、歴史的事実の認識ではなく、「歴史に対する一方的な解釈」にすぎない以上、作家の豊田有恒の次のような指摘にも耳を傾ける必要があると思う。
「韓国人は、ひとつの理念、主張などを振りかざして、ものを言う。理念、主張は、もとより事実ではない。だが、韓国人は、その理念、主張を前提として、自説を言い立てるのである。…ものごとを検証しながら、理路整然と相手を納得させることは、きわめて苦手である。冷静な議論ではなく、罵詈雑言(ばりぞうごうん)に訴えても、相手の意見を圧殺したほうが勝ちだと考える。」(「韓国が漢字を復活できない理由」, 祥伝社新書, 2012 )
周知のように、韓国はベトナム戦争の時に、ベトナムに派兵した。もちろん「軍慰安所」などなかったから、韓国兵によるベトナム人女性に対する強姦事件が多発した。その結果、多数の混血児(ベトナム語で「ライタイハン」という)が生まれ、社会問題となっている。韓国はこれにどう補償したのか? どう謝罪したのか?
元もと日本軍が「慰安所」を開設したのは、第一次上海事変のさいに、兵士による強姦事件が多発し、再発を予防するためだった。
「半軍営」になったのは、軍の威力で慰安婦を集めるためではなく、性病等を予防し、兵の健康を維持するのが目的であった。だからこそ、どこでも軍医が慰安婦の健康管理に当たったのである。マラリアとならんで梅毒、淋病、軟性下患などの性病は、軍隊の戦力を低下させる大きな要因だった。
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