ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ノーベル賞】難波先生より

2012-10-09 22:40:02 | 難波紘二先生
【ノーベル賞】京大の山中伸弥教授が、英国オックスフォード大のジョン・ガードン卿と共にノーベル医学・生理学賞をもらった。
 日本のメディアは山中の単独受賞のように報じているが、共同受賞であり賞金は二分される。


 ガードン卿は発生生物学者であり、1952年、世界ではじめて、アフリカツメガエルを用いて、核移植によるクローン・カエルをつくった人だ。これが動物クローンの初めである。この先駆的業績があったから、英国でクローン羊ドリーがつくられたのであり、ドリーがいて、他のクローン動物がいて、それらはすべて「核移植」という面倒な方法を使っていたから、山中の「体細胞リセット法」としてのiPS細胞作成法が評価されたのである。
 日本のメディアは完全にジョン・ガードンを無視しているが、それは間違いである。要するに山中の研究の背景まで調べていないので、書けないのである。
 http://en.wikipedia.org/wiki/John_Gurdon


 但し山中の方法では、「多潜能幹細胞」をつくれるだけなので、受精によらずしてはクローン・マウスさえもできない。その意味では、彼の方法はなんの役にたつかわからず、受賞は早すぎるともいえる。
 私は年齢的にガードン卿が生きているうちにノーベル賞を出そうと思ったが、山中を無視するわけにいかないので、成り行きで出した、というのが選考委員会の真相ではないかと思っている。
 ノーベル賞に死後受賞はないのである。


 ガードンの方法はクローン動物に応用され、すでに実用化されている。山中の方法は、今のところ実用化のメドが立っていない。実用といえば、いまや大ブレークしようとしている中村修二の「ブルーレーザー」の方が貢献度が高いだろう。どうして中村は受賞しないのか?「江崎ダイオード」はノーベル賞をもらったではないか。


 その点、山中教授は正直な人で、「まだ実用のメドが立っていないのに、受賞は早すぎるのではないか」と自分でも認めている。これは好感がもてる。
 利根川進の仕事はスイス・バーゼルの免疫学研究所で行われ、所長のイェルネがその前にノーベル賞をもらっているので、日本国産ではない。利根川はハーバードでアカハラ事件を起こし、結局アメリカにおれなくなり、今は理研で脳研究所の所長をしている。これは傲慢を絵に描いたような男だ。


 山中の仕事は初の国産ノーベル医学生理学賞であり、喜ぶに値する。少なくとも、韓国や中国に対しては脅威と羨望の的になるだろう。外交的にも利用価値があるかもしれない。
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