ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【修復腎移植の再申請】難波先生より

2014-01-27 12:17:52 | 難波紘二先生
【修復腎移植の再申請】1/25「産経」一面が、徳洲会が近く修復腎移植を先進医療として厚労省に認めてもらうための再申請を行う予定だと報じている。が、どういうわけかこの記事はネットで読めない。社会面の解説報道なら読める。
 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140125/waf14012508010002-n1.htm
 ただし印刷版には「解説」と「万波インタビュー」が掛けているので添付する。
 「千葉日報」がどういうわけか「病気腎移植」としていち早く報じている。(「共同」配信か?)その後1/16「愛媛」も大きく報じた。「毎日」、「中国」にはまだ載らない。「毎日」からは取材の電話があり、懇切ていねいに応対したのに…
 http://www.chibanippo.co.jp/newspack/20140125/176307
 修復腎移植を「病気腎移植」とのみ書くのは移植学会寄りの新聞。「病腎移植」と書くのは「産経」。(最近は「修復腎」と並記することも)。
 厚労省の「専門家会議」で承認されるのを妨害しているのが日本移植学会。その中心にいるのが阪大教授の高原史理事長。彼を教授にするために、「寄付講座」を作ったのが、いま話題のノヴァルティス社。厚労省から降圧剤の治療効果に関するデータ捏造にからみ、「薬事法違反」で東京地検に告発されたばかりだ。
 薬事法違反の捜査で、もし「贈収賄」が浮上すれば、旧国立大や公立大教授の地位は危ない。公務員が起訴されれば自動的に「刑事休職」になるから、ポストが空白になる。
 「薬害エイズ」のミドリ十字のように会社が潰れた例もある。もう寄付講座の維持どころではなかろう。(前回、メルマガが不達になった社員のことを書いたが、他社に移籍したのだそうだ。阪大でも教授以外は辞めているそうだ。ネズミは沈む船から真っ先に逃げ出すものだ。)
 都知事選も始まったし、3月には患者裁判も「証人尋問」というヤマ場を迎える。私も証人として、法廷で一世一代、懸河の熱弁をふるうつもりだ。3月に申請して、移植学会の古い執行部が定年退職した後に、厚労省が実質審議に入れば、先進医療としておそらく承認されるだろう。厚労省はやりたいが、それをじゃましているのが移植学会なのだから。

 WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)1/18号が、ノーベル経済学賞受賞者で、シカゴ大学教授、ハーヴァード大学上級研究員のG.S.ベッカー教授とアルゼンチンのJ.J.エリアス教授による共同評論「悪化する一方の臓器不足に確実な対策はある:腎臓に現金を払え、臓器を市場に出せ」という衝撃的な意見を乗せている。
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304149404579322560004817176?mod=WSJ_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsFifth#
 相当長文の論説だが、ポイントは2枚のグラフを見て頂きたい。(拡大できる)
 記事中、上のグラフは「Long Wait for a Kidney」とあり、縦軸は「腎移植待ち」の患者実数、横軸は年度を表す。赤線グラフは「待機患者数」、黒線は「腎移植総件数」、グレイの線は「生体腎移植」、茶色の線は「待機中に死亡した患者数」を表す。腎不全患者が増えたために、待ち時間は2002年の2.9年から10年後の2012年には4.5年と倍近くなった。
 下のグラフは、「予後を改善する」という標題が付いている。縦軸が平均余命で、横軸が年齢。一般人口(灰色)、腎移植患者(赤)、透析患者(茶色)の3群についてそれぞれの年齢層における余命を示している。
 現在60~64歳の人が、
1) 健康な場合の余命=   約20年、
2) 腎移植した場合の余命= 約15年、
3) 透析した場合の余命=  約5年
ということになる。透析がもっとも効果があるのは15~19歳、腎移植の場合は0~14歳。
移植した場合でも、健康人にくらべて平均余命は5年くらい短い。
 両教授は臓器不足(特に腎臓)のために毎年多くの生命が失われている状況を「社会による殺人だ」と主張して、有料の臓器提供方式を提案している。
<Whether paying donors is immoral because it involves the sale of organs is a much more subjective matter, but we question this assertion, given the very serious problems with the present system. Any claim about the supposed immorality of organ sales should be weighed against the morality of preventing thousands of deaths each year and improving the quality of life of those waiting for organs. How can paying for organs to increase their supply be more immoral than the injustice of the present system?
 Under the type of system we propose, safeguards could be created against impulsive behavior or exploitation. For example, to reduce the likelihood of rash donations, a period of three months or longer could be required before someone would be allowed to donate their kidneys or other organs. This would give donors a chance to re-evaluate their decisions, and they could change their minds at any time before the surgery. They could also receive guidance from counselors on the wisdom of these decisions.> 

 前段の趣旨には同意するが、「3ヶ月の猶予期間」を置くだけでは「営利目的の臓器提供」を防げないだろう。
 この「タブーへの挑戦」ともいうべき論評には237通の読者投稿が寄せられていて、反響の大きさがわかる。(著者紹介の下の欄のcommentsで読める。)
 この「臓器売買肯定論」の論理構築はお粗末だと思うが、臓器ドナーが不足して非常に深刻な状態にある、助けられる生命が失われている、もっと質の高い人生が送れるのに透析という制限の多い維持療法に頼らざるをえない、という現状分析はその通りだと思う。
 また「現代ビジネス」というメディア雑誌がドイツ週刊誌「シュピーゲル」記事を要約紹介している。内戦が続くシリア難民がレバノンで腎臓を売っている話だ。
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38068
 買い手市場になっているので、少年が売った腎臓がわずか7000ドル、斡旋人の手数料が700ドル。レバノンでは高くても1万5000ドルで腎臓が入手できるので、中国への移植ツーリズムが難しくなった今、アラブ諸国から年間数万人の移植希望者が来るという。日本なら高級な軽乗用車のお値段だ。日本の斡旋業者もレバノンでの腎移植を手がけるようになるだろう。
 だからこそ「第三の移植」として、中古の腎臓を利用する「修復腎移植」を公認することが喫緊の課題なのだと思う。WSJ論評がアメリカでの修復腎移植普及につながると良い。

ヤフーの「知恵文庫」に「病腎移植」ついての質問が載っているので、支援者(徳洲会関係者、患者、医師、ジャーナリストなど)は各自ベストアンサーを投稿してほしい。私もする予定。
 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13120041683
 「社会が悪い」、「政府がもっと何とか支援を」という声はよく聞く。だがI.S.ミルが述べたように「国家や社会の価値とはつまるところ、それを構成する個々人の価値の総和」です。
 独立した、価値ある個人として、修復腎移植を普及させるための努力と支援を行おうではありませんか。
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