ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【紙の世界】難波先生より

2014-11-17 19:20:52 | 難波紘二先生
【紙の世界】新聞販売店の店主が集金に来た。4紙とっていても、金を払っているのは2紙だけ。「毎日」と「産経」のどちらが有料だか、自分でも忘れた。
 店主曰く「朝日の減紙はない、産経の増部もない。それよりも年寄りが死ぬと新聞をやめる家が多い。それに折り込み広告の点数減が大きい。前は30点もあった時代があるが、今は10点を超す日はまれ」という。
 このあたりの田舎では、「新聞はみな同じ」と考える人が多くて、「乗り換え」はまずないそうだ。インテリといえる家は、寺とか新聞社に勤めていた人の家とか、町で10軒もないそうだ。
 父親は仕出し料理店をやっていて、店主は新聞配達少年から独立して販売店になったのだそうだ。それだけに大変な情報通だが、都会人と異なり口が固い。

 「WILL」12月号に、加藤清隆(時事通信・元政治部長、解説委員長)の「わが友、(朝日)木村伊量社長への<訣別状>」という論評記事がある。
 その中に静岡県のある中高一貫校で講演し、「毎日、新聞を読む習慣のある人はいますか」と質問したところ、約1,500人の生徒中に手を挙げたのはたった7人だったと書いている。「毎朝」ではない、「毎日」と聞いたのだ。
 つまり「朝日誤報問題」以前に、10年後、今の年寄りがほぼ死に絶えたら、新聞を読まない人たちが社会の多数派になるということだ。「朝日の没落」はそれを加速するにすぎないだろう。
 文化の日を挟んで「読書週間」があるが、今や月に1冊も本を読まない国民が2人に1人になったという。電車や新幹線に乗っても、新聞や本を読んでいる客を見かけることがなくなった。広島大のキャンパスを久しぶりに歩いたら、今や学生が歩きながらスマホを覗いている。生協書籍部に学生がいないわけだ。
 昔は親指に「パチンコだこ」ができた学生がいたが、いまや「スマホだこ」のできた学生がいるのではないか…。
 ブラッドベリ『華氏451度:本のページに火がつき、燃え上がる温度』(ハヤカワ文庫)の世界は、自主的に実現してしまいそうだ。「グーテンベルグ革命」がいまや終わろうとしている。
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