全身に纏わり付くような湿気と耳に突き刺さるようなセミの声___
あれから5年。時間がどれほど過ぎようとも、この季節の風景は変わらない。この湿気を拭い去りたくても、耳障りなセミの声を消し去りたくても、それは決して無かったことには出来ない、叶わない現実。
京アニ第1スタジオ放火事件から5年。自分はまだ、忘れる事の出来ない日々を過ごしています。確かに年を追うごとに気分の滅入り方も楽になってきたのかも知れません。アニメを視聴する時も、宇治の街を歩く時も、この事件を忘れる事が出来るようになってきたと感じます。それでも、神社へお参りする際には必ず、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしてしまいます。
そして今年も___祈らずには居られない。今日だけは立ち止まって過去を振り返る時間を過ごしたい。「7・18祈りの夏」です。
中書島駅からHM掲出車両が自分を六地蔵駅まで運んでくれました。
今年は、去年と同じように六地蔵駅ホームから第1スタジオ跡地に向かってお祈りを捧げます。現地では京アニ関係者やご遺族様による慰霊式典が執り行われています。付近では報道各社が陣取っていて、相も変わらず落ち着かない雰囲気です。そういう意味では、駅ホームからお祈りをする方が落ち着いてすることが出来るというものです。
実はこの時、去年と同じテレビ局(取材クルーは変わっていました)から全く同じようなシチュエーションで取材を受けまして。でも、去年と全く同じ絵面(自分の服装もほぼ、去年と同じ)になるので放送はされないだろうなと思っていました。
六地蔵駅からは、またしてもHM掲出車両が自分を宇治駅まで運んでくれました。
「お茶と宇治のまち歴史公園」の「志を繋ぐ碑」を取り囲むように祈りを捧げる方々や報道各社の姿が見受けられます。
昨日は人影も少なく、誰に遠慮する事無くベンチで“秀一パン”を食べる事ができたのですが、今日、そんな事をすると「目立ちたがりか!」と訝しがられる事でしょう。それでなくてもお祈りを済ませた後から、報道2社から「少しお話を」と呼び止められる始末です。(メディアの方々もこの酷暑の中、大変ですね)
時計はそろそろ11時を示そうとしています。開店に合わせて「ダイニングきく」さんでいつものカレーを頂きました。接客や調理の合間に他愛ないお話の相手をくださり、有難うございます。
その後、縣神社、宇治神社、宇治上神社とお参りを連ね、犠牲になられた方々のご冥福を重ねて祈らせて頂きました。
途中、宇治観光センターに立ち寄ったり、いつものように「喜撰茶屋」さんで「水まんじゅう」を、「日の出園」さんで「パウンドケーキ」を購入したり。
自分はこれからもアニメを好きで居たいと思います。アニメを見続けたいと思います。志半ばで他界された方々の望みは、アニメを見たファンが笑顔になる事だと思うから。それが唯一、自分に出来ることだと思うから。
「志を繋ぐ碑」に刻まれた、京アニがその覚悟を示すなら、自分たちアニメファンはその誓いで応えるでしょう___
宇治駅からの帰りの電車もHM掲出車両が迎えに来てくれました。
中書島駅では13000系、1号車2号車の揃い踏み。珍しい光景に巡り合えたことに感謝です。
この日、京都アニメーションは第1スタジオ跡地に新たに制作スタジオを建設する意向であることを発表したようです。
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