東京の表参道・原宿・青山、3つの街の狭間に設立された新設校、「結ヶ丘女子高等学校」の音楽科を受験した澁谷かのん。だが、歌唱の実技試験で失敗。止む無く、同学校の普通科に入学することになる。失意の中、迎えた入学式の朝。かのんの目の前に突然、上海から来た少女、唐可可が現れる。かのんと同じく結ヶ丘の普通科に入学した彼女は、かのんのスバラシイ歌声に心奪われ、一緒にスクールアイドルを始めたいという。頑なに断るかのんだが、可可の情熱を前に部員集めを手伝うことになるのだが…
開幕早々、ネガティブ発想の主人公。その辺が過去作とは少し、違う。ラブライブシリーズの伝統的に引き継がれるオレンジの系譜が取り巻くメンバーに影響され次第に、色づいていく。
『スバラシイコエノヒト~…』
『ひっ!』
『かのんさんの歌はすばらしいデス!なので、可可とスクールアイドルを始めてみませんか~』
『スクールアイドルって…学校でアイドルってやつでしょ?』
『スクールアイドルがやりたくて日本に来ました。かのんさんの歌はすばらしいデス!是非、私と一緒にスクールアイドルを…』
『私ね、音楽科の受験落ちたんだ。大好きなんだけどね。きっと才能ないんだよ』
『だからもう歌はおしまい』
『・・・・・』
『かのんさ~ん!』
『ん?』
『おしまいなんてあるんデスカ?』
『えっ…』
『好きなことを頑張ることにおしまいなんてあるんデスカ?』
可可ちゃんの愛らしさにノックダウン。目まぐるしく動く豊かな表情と耳の奥に残る奇跡のVOICE。その声は聴く人の耳に突き刺さるようで、でも剣先は丸く痛みを帯びない。それはまるで初めて聴く、耳で味わう甘いスイーツのよう。
彼女との出会いが無ければ、かのんちゃんの覚醒も簡単にはなかっただろうし、この物語りの導入章数話は、可可ちゃんが主役だと言っても過言ではないと思います。
『ああ…チョコわたるしみ…』 『・・・逆』
確かにメンバーが9人から5人になったのだから、キャラクターの特性も色濃く表現されるのは当然なのだけれど、それでも可可ちゃんの豊富なタレント性にハートを射抜かれたライバーさんも多かっただろうと思います。
本人も気付かない間に、これもラブライブ!伝統の白い羽がかのんちゃんのカバンにするりと入り込む。スクールアイドルたちの熱い物語りが受け継がれた瞬間を目の当たりにしたライバーさんたちはきっと、目頭が熱くなっていただろうと容易に推測できますね。
『やっぱり私…』
『歌が好きだ!』
5人の少女が紡ぐ新たな“私を叶える物語り”___開幕です。
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