旅行大手の日本旅行が2022年2月25日発表した2021年12月期連結決算は、最終損益が6億円の黒字(前の期は127億円の赤字)だった。新型コロナウイルス禍で旅行需要は低迷が続いたが、自治体のワクチン接種関連業務を受託したことなどが寄与し2期ぶりに黒字転換した。直近では「オミクロン型」の感染拡大が続いており、「非旅行部門」の強化を急ぐ。
売上高は前の期比13%増の1080億円で、営業損益は4億円の赤字(前の期は116億円の赤字)だった。20年に続いて21年も旅行需要の低迷は続いたが、20年12月時点で194カ所あった国内店舗を21年12月時点で75カ所まで削減するなど固定費カットを進めたことで赤字幅が縮小した。
新型コロナ禍による休業手当を支援する雇用調整助成金24億円を営業外収益として計上し、経常損益は19億円の黒字(前の期は93億円の赤字)となった。
21年12月期は旅行以外の事業として、自治体のワクチン接種事業の予約や会場運営業務を受託した。単体ベースの売上総利益287億円のうち、5割超の154億円を同事業などが占めた。
同社はワクチン接種などを「ソリューション事業」と位置づけ、21年12月に発表した中期経営計画では25年12月期に売上総利益300億円(単体)の約7割を同事業が占める目標を掲げる。
足元で「オミクロン型」による感染拡大が続き、海外旅行も含めた旅行需要の全面回復はほど遠い。
感染状況に左右されにくい受託事業により収益源の確立を図りたい考え。22年12月期の業績見通しは未定とした。
日本旅行、最終黒字に転換 21年12月期
旅行大手の日本旅行が25日発表した2021年12月期連結決算は、最終損益が6億円の黒字(前の期は127億円の赤字)だった。新型コロナウイルス...
日本経済新聞
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