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ロスがないラインケーブルは?vol.7

2017-09-02 | オーディオ部品のうんちく

『ロスがないラインケーブルは?vol.6』の続きです。

ラインケーブルの間違った常識をロス(損失)という点から考えています。

今回はヘッドホンのケーブルについて考えてみます。

ヘッドホンケーブルは細い方が使い勝手が良いので

かなり細いケーブルが使用されています。

また、スピーカーケーブルは右側と左側の長さを揃えることは常識ですが、

ヘッドホンケーブルは片耳から出ているものが多いのに

それを問題視する方は少数です。

手元にあるゼンハイザーのHD419で検証してみましょう。

このヘッドホンのケーブルの長さは148cm。

ケーブルは左側のユニットから出ています。

右側のユニットへはヘッドバンド内を通っています。

長さを測ったところ55cm程でした。

つまり左のユニットのケーブルは148cm

右のユニットのケーブルは203cmです。

使用されているケーブルの外径寸法は1.6mmでしたので

これに3本の銅線が入っているわけですから

1本あたりの銅線の直径は多く見積もっても0.5mm程度でしょう。

銅線の断面積を計算すると0.25*0.25*3.14=0.196

0.2スケアと推定されます。

左側を計算してみましょう。

0.2スケアの銅線の抵抗値は1mあたり0.0915オームですので

1.48mのケーブルでは往復で2.96m。

抵抗値は0.0915×2.96=0.271オームとなります。

インピーダンスは32オームなので

32/(32+0.271)=0.9916

左側のケーブルでのロスは0.84%となります。

次に右側ですが、

0.2スケアの銅線の抵抗値は1mあたり0.0915オームですので

2.03mのケーブルでは往復で4.06m。

抵抗値は0.0915×4.06=0.0.371オームとなります。

インピーダンスは32オームなので

32/(32+0.371)=0.9885

左側のケーブルでのロスは1.15%となります。

1.15-0.84=0.31

左右のおとのバランスは0.31%アンバランスになることがわかります。

この程度のアンバランスでは問題になることはありません。

さすがゼンハイザー社はそのあたりの問題はクリアされています!

ところが最近のヘッドホンではインピーダンスの低い・・・次回に続きます。



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