さて、今日は先週に続いて土星沖海戦その②ですね。
前回は艦艇について述べましたので、今回からいよいよ土星沖海戦の展開について述べていきたいと思います(^o^)
大量のカラクルム級が土星に出現し、それをエンケラドゥス守備隊が地球軌道で待機中の防衛艦隊主力に通報します。
防衛艦隊主力は、土星に現れたガトランティス艦隊が白色彗星本隊の前衛であり、本格侵攻が開始されたと判断、決戦発動を命じます。
その判断に殆ど躊躇がなかったのは、山南さんが言ったように“銀河”のAIが事前にこの展開を示し、それが蓋然性が高いと判定されていたからでしょう。
そして、ガトラン艦があまりに大量にワープアウトしてきたことで、通信障害まで発生しているエンケラドゥス守備隊ですが、あっという間に窮地に陥ってしまいました。
大量のカラクルム級に半包囲され、激しい十字砲火を浴びてしまいます。
波動防壁を展開することで辛うじて持ちこたえていますが、殆どタコ殴り状態です。
それでも何とか一矢報いようと、隊列前方のパトロール艦と金剛改Ⅱが艦首の小型波動砲の発射態勢を取りますが、その間にも波動防壁を貫かれた何隻かが爆散します。
結果的に、数隻が波動砲の発射を果たしますが、小型且つ収束型の為、戦場を動かすような戦果を挙げることはできません。
以前の記事にも書きましたが、エンケラドゥス守備隊は『はりつけ部隊』と思われ、その任務は警報と敵戦力の誘引、遅滞戦闘であるであろう事を考えると、あまりに多勢に無勢で無駄にも思えるかもしれない戦闘ですが、こうした展開も仕方がないと思います。
彼らの任務は敵を見つけ、味方を呼び、味方が到着するまでの時間を稼ぐことなので。
とはいえ、もう少し戦い方には工夫があっても良かったという気もします。
たとえば、波動砲を撃つにしても、それは拡散射撃が可能なDクラスが行い、そのエネルギー充填時間を稼ぐ為に、パト艦や金剛改が波動防壁を展開しつつ“壁”になるという感じでしょうか。
これは第五章全体に言えることですが、波動砲射撃前のエネルギー充填プロセスが随分と過少に――てか、そんなもん端から存在しないかのようにバッサリと切り落とされていますので、エネルギー充填が間に合うかどうかのドキドキを感じられるとすれば、戦力的に劣勢なこの時が一番良かったと思うのですが。
また、根本的な疑問として、あの場であんな完璧な半包囲を受けるくらい真正面からカラクルム級の圧迫を受ける必要があったのかとも思いました。
適当に距離を取りながらお茶を濁すような砲撃を行って、主力が到着するまで時間を稼げばいんじゃないの?とか。
どう考えても、あの場に現れたカラクルム級は千の単位を軽く越えており、いくら波動防壁があっても、50隻にも満たない僅かな守備隊では、一瞬で揉み潰されて大した時間稼ぎにすらならないでしょう。
でもまぁそこは、短時間で次のワープを行われてしまい、ガトラン艦隊が地球近傍にまで達してしまうことを恐れた――と考えることにしましょうか。
スペック的にそんな短時間に次のワープが行えるとは思いませんが、そうでもしないと絵面的に盛り上がりませんし。
また、出現後のガトラン艦隊の機動(突進)が早過ぎて、(守備隊は)あっという間にガトランの隊列に呑み込まれた・・・みたいな台詞が一言あるだけで、印象も随分と変わるのですけどね。
さてさて、その後の戦場ですが、ナスカ級と初登場の超大型空母――アポカリクス級が出現します。
しかし、コスモタイガーⅡ隊の奇襲でナスカ級は枕を並べてボカ沈。
この点については前回の記事でも触れました。
命令順守の攻撃隊がナスカ級に固執した故か、底抜けの“幸運”故か、その巨躯にもかかわらず攻撃対象から外されたアポカリクス級は、イーターⅠを発艦させます――が、正直CTⅡ隊の奇襲を逃れた点も含めて無理やり感が強いです。
圧倒的な戦力差故に壊滅は時間の問題だったエンケラドゥス守備隊に、あまり数のない(しかも自爆兵器故に一度出撃させたら二度目はない)イーターⅠを放つことは戦術的に意味がない、はっきり言えば無駄に近い行為です。
このシーンですが、『超大型空母の甲板を回転させる』『イーターⅠを活躍させる』ためにかなり無理をしている気がしますし、しかもバルゼーの無能さが一層際立ってしまいます。
地球の主力艦隊が戦場に到着して以降の土星沖海戦/後半戦については次回に回しますが、このバルゼーの無能・・・・・・とまでは言えなくても、強敵ぶりがない点は、第五章の物足りなさの一つです――何と言いますか、敵がある程度強くないと、戦闘シーンって盛り上がらないじゃないですか?
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あの場で新兵器を使ってみたかった程度の理由で出撃させたイーターⅠの半数を失っても、カラクルムで地球まで平押ししても勝てるが、「ガトランティスの常識」だったところへ、あの主力艦隊ですから。
それと、全体的な描写不足は、話の切り方間違えてる感じがしますね。
イーター1はもしかすると波動防壁突破のためだけに科学奴隷に造らせた兵器なのかも知れませんが、使い捨てというのが...アポカリクス級の巨体にデスバテーターを満載して反復攻撃されるとかなりの脅威になる...はずであり、そのための巨体のはずなのですが、それもこれもやはり膨大過ぎる数の艦艇を設定したことの弊害ですね。
潜宙艦の群による魚雷戦とかやってくれると面白かったんですけどねえ。そしてそれを亜空間魚雷で撃退するA級...見たかった!
コスモタイガーⅡにももっと出番を!
土星沖の会戦の前哨戦であるエンケラドゥス守備艦隊との戦いですが、旧作のヒペリオン艦隊と第2艦隊との会戦のリメイクではないのでしょうか。
旧作では巡洋艦を主力とした艦隊が通常砲戦を挑んで、なすすべもなく壊滅し、わずかな足止め程度にしかならなかったですが、今回はもっと光を当てようとした。製作者側のそんな意図が感じられました。
ただ、仰るように、戦術やガトランティス側の行動にもう少し工夫があると…と思いました。
後、ふと思ったのですが、ガイゼンガン兵器群の量産が本格的になったのはテレザート攻略後らしいですが、ではそれ以前の艦隊の主力は…?
ラスコー級やククルカン級、メダルーザー級が艦隊の前衛で出てくれればとも思いました
いつも楽しく拝見させていただいております、初代のTV放送から劇場版「さらば~」もリアルタイムで観た世代のオッサンです。
2202、凄いことになってますよね。
ともあれ、現代のアニメ技術でヤマトの艦隊戦が観れるだけでも2199そして2202には個人的には感無量な訳なんですが、
多くの方が指摘されてるように、大風呂敷の拡げ過ぎというか、戦力の度が過ぎたインフレっぷりには少々辟易しています。
雲霞のごとく湧いてくるカラクルム級ってw
本当に、もし更なる続編があるとすれば、敵の規模はどんだけ…?
旧作「新たなる旅立ち」が発表された当時、N崎プロデューサーははっきりと、
「今度の敵、暗黒星団帝国(デザリアム帝国)は、前作の白色彗星帝国の数百倍のスケールの敵」だと明言されていました。
「新たなる~」劇中でのゴルバの描写や上記の発言からすれば、暗黒星団帝国はヤマト並びに地球防衛軍にとって、今度こそ絶対に勝ち目の無い敵だった筈なんですが、
(その割に劇場版「永遠に」であっさり撃破されて「アレ?」でしたけど。)
このプロデューサー発言を次作で忠実に再現するならどういうことになるのか…。
恐ろしくて想像すらできません。
バルゼーの無能さは全く同感です。
以前から私は、ここまで旧作とは違った要素、違った展開がアリなら、2199の七色星団会戦で戦死したドメルも死ななかったことにして、
バルゼーのガトランティス艦隊と、ドメル率いるガミラス艦隊のガチンコ勝負を観たいと常々思ってました。
(今回、ギムレーが死んでなかったのを見て、だったらドメルも、とますますその思いが)
艦隊指揮官としての能力がドメルとバルゼーでは月とスッポンなので、結果は見えてますがwww
雑文、失礼しました。
こんばんわ~。
イータⅠですが、公式のメカ紹介には、「波動防壁を中和する」という表現があります。
波動防壁を艦船の防御手段として実用化しているのは、劇中では地球艦隊だけです。
波動防壁自体は、ゲシュタムフィールドという言葉があるので、ガミラスとしても公知の技術と思われますが、宇宙艦船の防御手段には用いられてはいなかったです。
ということは、ガトランティスは何時の時点で波動防壁を知りえたのでしょうか?
無難な線としては、星巡る箱舟における戦闘時と思われます。
当戦時のガトランティス軍は全滅してますが、ガイレーンが記録したデータを元に、波動防壁中和装置を科学奴隷に開発させていた、というところでしょうか。
さすがに、17話冒頭で説明されていた前哨戦ではないですよね・・・