はじめました

朝刊を読んで驚いたんですが、千代田区で『歩きたばこ禁止条例』が全国初で成立したらしいですね。
なんでも、禁止区域(繁華街や通学路等)の路上で喫煙したり、吸殻をポイ捨てしたりすると、二万円以下の罰金が科せられるらしい。
こりゃ多いに賛成ですわな。
人ゴミの中で歩き煙草してる人の後ろになっちゃうと、嫌ですもんね。しかも周りにお構いなしにピッピッと灰を落とす人だったりなんかすると、灰やら火種やら飛んできそうでイヤなもんです。すれ違う時も、服やら鞄やらに火が当たりそうで怖い。中には、自分の手の平側に挟んで(自分の身体側に向けて煙草を持って)周囲への迷惑を最低限に抑えようと細心の気配りをしながら歩き煙草するという、ジェントルメェンのようなそうでないような微妙な人も見かけますけどね。
なんてこと言ってるわしも実は、愛煙家だったりするですよ。一日二箱位、特にお酒が入るとチェーンスモークになってしまいます。
でもね。煙草を嫌いな人・苦手な人にはなるべく迷惑かけたくないのです。普段は何とも思ってなくても、自分が体調悪い時なんかに初めて、他人が吐き出す煙を浴びる辛さが分かったりしますよね。煙草吸わない人と同席する時は、『吸ってもいい?』と聞く事を最低限、忘れないようにしています。道ゆく人全員に『吸ってもいい?』と聞くことは不可能ゆえ、わしは歩き煙草はしません。
ま、愛煙家にとっても嫌煙家にとっても、興味深い条例が出来たわけです。

が、しかし。
ルールは破る為にある
ので、愛煙家の中には、『なんとかしてこの法律をかいくぐって吸ってやろう』という動きが出てくるのではないか?
縛られれば縛られるほど、ふりほどきたくなる。駄目ですよ絶対駄目なんですよと言われれば言われるほど、やってみたくなる。それが愚かなる人間の業ではないのか?

というわけで、全国の『歩きたばこ推進派』が千代田区に集結する日も近い。そして『歩きたばこを守る会』が発足され、『第一回 反歩きたばこ条例会議』が開かれるのだ。議題はもちろん、いかにして千代田区禁止区域内で歩き煙草をするかについてだ。

もうもうとたち込める紫煙の中、白熱する議会。
飛び交う怒号。熱気。汗。汗。汗。
『歩きたばこが駄目なんだから、歩かなきゃいいんだ!』
『馬鹿な!走るとでもいうのか?』
『・・・走りたばこ』
オォーゥ、とどよめく場内。
『そうだ!走りたばこはイイ!それならいけるぞ!』
『じゃぁスキップたばこもありだな!』
『ツーステップたばこもだ!』
『ヘッドスライディングたばこもあるぞ!アスファルトじゃ痛いけどな!』
『バク転たばこもいけるぞ!』
『・・・俺できねーや』
『俺も』
『私も』
『ん~じゃぁムーンウォークたばこは!?』
『できる!』
『けどそれ一応「ウォーク」だし駄目なんじゃ・・・』
『じゃ気を取り直して竹馬たばこならどうだ!?』
『それならできる!』
『俺も』
『・・・私できないわ』
『ローラースケートたばこは?』
『スケボーたばこは?』
『キックボードたばこは?』
『うーん・・・なんかさあ、道具使うのは邪道じゃねえか?』
『そうだな。身体一発でよォ、男らしく勝負したいよな』
『そうそう。それでいて、街中のヤツらをぎゃふんと言わせるような』


『匍匐前進たばこはどうじゃ?』


オォーゥゥゥゥ。場内騒然。
『さすが長老さまだ!』
『そうだ!匍匐前進だ!』
『匍匐前進たばこなら男らしいぞ!』
『素晴らしい!ビバ匍匐前進!』
『匍匐前進たばこ!匍匐前進たばこ!』
鳴り止まない匍匐前進たばこコール。

カン!カン!
議長『では、第一回 反歩きたばこ条例会議 決議案は「匍匐前進たばこ」ということで。条例施行の十月一日、千代田区役所前に集合して下さい』


というわけで、わし。
匍匐前進の練習はじめました。
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