スローハンド

昨夜は友人が高円寺でライブをやるというので見に行ったら、ライブハウスというよりアフリカン呑み屋だった。
店ではジャンベ(西アフリカ伝統打楽器)の教室もやっているそうで、先生と生徒達による大ジャンベ大会を見ることができた。
狭く薄暗い店内に、総勢十数台のジャンベがひたすら鳴り響く。
ドゥンドゥンカッ、ンカンカカッ。
打楽器大好き野郎のわしだが、和太鼓ではないのですっかり油断していたら、キテしまった。
涙腺アターック。
腹にズゥンと響く低音に、鳥肌ゾザザザー。脳内では松明の灯と狂ったように踊り続ける原住民がぐーるぐる。祭りだ祭りだァァァ。ドンドンカッ、ンカンカカッ。
鳴り止まない太鼓の響きにこみあげてくる涙をグッとこらえ、ひとり唇をギリギリ噛み締めて耐えたのでした。
それにしても、先生の叩くジャンベはさすがに素晴らしかった。
手の動きが速過ぎて千手観音みたいだった。姿勢の良さと邪念のない表情とも合わせて、なんだか神々しかった。千手観音ジャンベ。いいもん見せてもらったなぁ。
そしてその後、なぜかわしが仕切って二次会会場へ。
人見知りのくせに『盛り上げなきゃ』という使命に駆られるタイプなので、大勢の呑み会ではいつも、無駄にテンションの高い変なヒトになってしまう。んで結局、朝までコース。
タクシー帰り組を乗り場まで案内し、順番に車に乗せ、『気を付けてね～おやすみ～じゃぁ運転手さんよろしくお願いします～』などと呑み屋のママみたいに一組ずつ送り出した。
さて全員帰ったかな、と振り返ったら、他のタクシー待ちの青年がポツンと一人立っていた。すみませんすみません随分お待たせしちゃいましたね、と謝ると、『いえいえ楽しそうでいいですね、何かの集まりだったんですか？幹事さんも大変ですねー』『いえ幹事じゃなくてわしはただの客だったのですが』などと立ち話。んで『あれでしたらお兄さんにもひとつやりましょうか』『ぜひお願いします』
ということで、見ず知らずのお兄さんをもタクシーに押し込み
『気を付けてね～おやすみ～じゃぁ運転手さんよろしくお願いします～』などと送り出し。車が見えなくなるまでお互い手を振りあった、見知らぬ青年とわし。
♪いいな～いいな～よ～っぱらいっていいな～♪(まんが日本昔話のアノ歌の節で)などと鼻歌歌いながら帰宅したのでした。
ヨッパライのやることはわけわからんちーん、と反省しつつ、廃人モードで迎え酒中のわしなのでした。体だるー。あぅー。