空に大腸がある限り~番外編

緊張でぶるぶる震えおののいていた検査前夜、父上から電話があった。『ねーねー明日いよいよ内視鏡でしょう?痛いぞう、苦しいぞう、辛いぞう、わはははははは』いやがらせ以外のなにものでもない。そして無事検査が終了した夜、ぐったり床についていたところへ、おねーたまからメールが届いた。『明日いよいよ検査だね♪がんばってね♪』終わってるですよ。とっくに検査終わってるっちゅうですよ。なんなんだねチミたちはぁぁぁと、キムラさん一家の血筋を呪うマスターなのでした。
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続:空に大腸がある限り

『はい、仰向けに寝てくださいね~』
ベッドへ上がって仰向けになると、看護士さんに鎮静剤を注射されました。ベッド脇には、2台のモニターが設置されています。
ほほぅ、わしの腸内に潜入するカメラの映像がココに映し出されるわけですね、毎度お騒がせしておりますぅ~ご腸内の皆様ぁ~、なんつってな、などと馬鹿なことを考えて恐怖心を紛らわせていたところへ、先生登場。
『はい、こんにちは。楽にしてくださいね~』
ぬぉ!?あ、あのおじいちゃん先生ではないじゃないかっ!?
あのおじいちゃんが検査するんじゃなかったの?診察だけだったにょ?
わ、若い・・・。明らかに年下ではないか(汗)こ、こんな若いお兄さんに、わしは、こ、こここ肛門を
『はい、横向きになりましょうね~』
と言いながらわしをコロリと横向きに倒し、白衣をまくりあげ、紙パンツの穴をテキパキと広げる看護士さん。ぬぇぇっままままだ心の準備がっと言うスキもなく、されるがまま、あっという間に肛門ご開帳。

アア、ワシハイマ、コウモンマルダシナノダ。
シラナイヒトノマエデ、コウモンヲサラシテイルノダ。
カパット。カパーット、サラシテイルノダ。

『じゃぁ入りますよ~力抜いて楽にしてくださいね~』
なにやらジェル状のものが塗りたくられるや否や、ズブリ。
『ほひょへっ』
などと意味不明な奇声をあげてしまったことを恥じる余裕もないほど、激痛。そして激しく苦しい。なんともいえない、やるせない圧迫感。
それでも、カメラはどんどん奥へ奥へと突き進んでいきます。ずぶずぶずぶ、と。

『どうですかー?お腹張ってきましたかー?』
『は、はひ。苦しいです』
『腸壁のヒダの奥まで見逃さないように、空気も入れて広げてるんですよー。お腹張って痛くなりますから、恥ずかしがらずにおならブーブー出してくださいねー』
そ、そんなこと言われましてもぉ(泣)
ただでさえアラレもない姿を晒してるというのに、このうえオナラまで!?(泣)
ねえねえ!?わしにオンナとしての最後のじそんし


ずばばばばばばばばばば。


アレ?
ナンカ、デテルヨ。
コウモンカラ、スゴイオト、デテルヨ。

『そうそう、恥ずかしがらずにジャンジャンおなら出してね~』と先生が言うまで、それが自分のオナラであると認識できなかったほどの爆音。ブーブーなんてもんじゃぁありません。ずばばばばば、ですもの奥サン、ずばばばばば。
『力抜いて~どんどんオナラ出して~』などと言いながら先生は、ズブズブと容赦なくカメラを押し込み続けます。

ずぶずぶずぶずぶ。ずばばばばばばば。
ずぶずぶずぶずぶ。ずばばばばばばば。
ずぶずぶずぶずぶ。ずばばばばばばば。

検査室にこだまする、ずぶずばアンサンブル。
医者と患者の奏でる、すてきなハーモニー。

コノヨニ コワイモノナド、モハヤナイ。

そう悟るのに、それほど時間はかかりませんでした。
ずぶずぶずぶずぶ。ずばばばばばばば。

あまりにもわしが痛がるので途中で追加の鎮静剤を打たれたりしながらの、ずぶずば大演奏会。痛さとせつなさと心苦しさとの中で、十分以上はプレイした頃でしょうか。
眼鏡を外されていた為ぼんやりとしかモニターが見えていなかったわしの目でさえ、『ぬっ?この赤いカタマリは!?』っちゅうようなブツが幾つか発見されたのでした。
そしてモニターに銀色のペンチのような形をしたモノがにょっきり出現したかと思うと、チョッキンな、と何やら切除された模様です。位置を移動して、またチョッキン、チョッキンな。
その場で対処できるポリープはそのまま切っちゃいますよ、という説明をされていたので、ほほぅ、これが内視鏡切除というヤツなのかぁ、と思っていると、
『ポリープのようなものがありましたんで、組織取って検査しますからね~』と、先生。

な・・・なぜに『ポリープ』と断言してくれないのですか先生ぇぇぇっ(泣)
『ポリープのようなもの』って・・・『のようなもの』って・・・なぜに婉曲した言い回しをぅぅぅ(泣)
そしてなぜに、検査行き!?なぜにその場でチャチャッと切ってくれないのですかぁ、チャチャッとぉぉぉ(泣)

ポリープなのか何なのか、切るほどではないから切らなかったのかはたまた、切れないほどアレだったのか、などなど脳内ぐるぐるのイヤンな予感に打ち震えているうちに、すぽん、とカメラは抜かれ、検査終了。
『まぁ大丈夫だと思いますから、そんなに心配しないでね。それじゃお大事に』と去ってゆく先生の後ろ姿を、

アナタトワタシハ、モウ、タニンジャナイノネ。

などと妙な親近感で見送ったわしなのでした。
肛門丸出し姿で。

その後、『残りの空気を出してください』とトイレに案内され、最後のずばばばばば。ずばばばば納めを終えると更衣室に連れて行かれ、着替え。
この穴開きおパンツは記念に持って帰りたいなぁ、でも駄目って言われそうだなぁ、衛生的にアレだものなぁ、などと鎮静剤で朦朧とした頭でぼぉっと考えながらおパンツを見つめつつ着替えを済ませて、休憩室へ。お疲れ様でしたね、と出されたお茶をすすりつつ、看護士さんから今後の注意事項なる説明を受けました。

『今日は浴槽に入らないでください』はいはい、元々シャワー派ですよ。
『過激な運動はしばらく避けてください』はいはい、元々運動不足ですよ。
『2~3日は遠くに出かけないでください』はいはい、元々ヒキコモリですよ。
飲酒は4日間控えてください

最後のセリフは聞こえなかったことにして、がぶがぶ呑みながらこの報告を書き上げたわしなのでした。
コノヨニ コワイモノナド、モハヤナイ。
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空に大腸がある限り

コメントやメールで冷やかし、いや励ましの声を寄せて下すった御客様方、ふんとにありがとうございまひた。お蔭様で、なんとか検査終了しましたですよ。
なんだかえらく長い一日でした、昨日。

『腸洗浄剤を2リットル飲み下す』という準備段階ですでに、半泣きギブアップ寸前でした。あんなにツライものだったとは。あぅ。
コップ3、4杯目あたりまではぐびぐび飲めてたのですが、その後はちっとも入っていかないんですよ、薬液が。味がしょっぱすぎるせいもあって胃はムカムカするわ、でも2時間以内に飲みきらなきゃならないわで、時計とコップを交互に恨めしく眺めつつ、泣きながら流し込みました。
んで飲んじゃぁトイレ行って、部屋に戻ってきちゃぁ飲んで、またトイレ行って、という動作を延々繰り返してるうちに、パンツの上げ下ろしがいいかげん面倒臭いんで、トイレに薬を持ち込んで便座に座ったまま飲もうかしら、などという誘惑にかられたりもしましたです。
ほいで、すっかり出るもんが無くなると、胃のムカツキもスッと消えて気分爽快。なんだか体も軽い感じです。いそいそ体重計に乗ってみたら、2kgも減ってました。恐るべし、ニフレック。そして恐るべし、2kgものンコが詰まってたわしの腸(汗)

そうして『腸からっぽ準備』を終え、病院に向かい、いよいよ緊張の本番です。
びくびく震えおののきつつ内視鏡室に入ると、まず更衣室に案内されました。看護士さんから渡された検査着を広げてみて、ぶっ飛びましたよ、わしゃ。

肛門部分にぽっかり丸い穴のあいた紙パンツ

なんですもの。
こ、こんなの履くくらいなら、全裸で検査された方がましだぁぁ(泣)
『お尻丸出し』よりは、『肛門だけ丸出し』の方が恥ずかしくなかろう、という配慮なんでしょうが、余計恥ずかしいですからぁぁ(泣)
と、泣きながら着替えたわしでしたよ。
んで紙パンツの上からロング白衣みたいなのをかぶって、いよいよ検査室へ。
歩くたびにカサカサ、コソコソ、と音をたてる紙パンツで、検査室へ。
白衣を羽織ってるから見えないはずなのに、なんとなく後ろ手で肛門付近を隠しながら、検査室へ。

力尽きたので、明日に続くです。
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本番

無事終了しまひた。
なにやら2,3ポリープのようなものが発見されたんで、組織採取して生体検査に回された模様です。
結果が出るのは20日(月)。
『私の恥ずかしい体験~いやぁんスッゴイスッゴイ壊れちゃうぅン編~』
はまた後日ご報告しますです。
心身ともに力尽きたわしなのでした。
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前夜祭

明日はいよいよ大腸内視鏡検査だ。腸の中をからっぽにするため、あれこれ指令が出されている。まず今夜20時までに食事を済ませたら、明日の検査終了まで絶食。そして明朝8時から、写真の下剤を200ccずつ10分間隔で計2リットルもがぶ飲みしなければならない。せっかくの休日に、うんこのために早起き。今から緊張でそわそわしてるマスターなのでした。
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