住職の娘です。
年始の断捨離を始めました。
写真のブツが今回の蔵出し品です(笑)
「戦利兵器奉納ノ記
是レ明治三十七八年役戦利
品ノ一ニシテ我カ勇武ナル
軍人ノ熱血ヲ濺(そそ)キ大捷(だいしょう)ヲ得
タル記念物ナリ茲(ここ)ニ謹テ之
ヲ献シ以テ報賽(ほうさい)ノ微衷(びちゅう)ヲ表
シ尚
皇運ノ隆昌ト国勢ノ発揚(はつよう)ト
ヲ祈ル
明治四十年三月
陸軍大臣寺内正毅(花押)」
(以下、住職追記)
大捷 大勝に同じ
報賽 祈願が成就したお礼に神仏に参拝すること
微衷 自分のまごころ・本心をへりくだっていう語
尚 なお 皇運ノ隆昌ト国勢ノ発揚という言葉を文頭に持ってくるために 尚の字で改行している
(以上、住職追記)
明治40年頃(今から約120年前)、政府(陸軍)が日露戦争の勝利を喧伝するためか、敵国から押収した武器(戦利品)を各地の寺社などに「陸軍大臣寺内正毅」の名前で奉納していたらしいです。
ネットで検索したところ、奉納されたのは主に大砲の弾などのようですね。
私も神社で祀られているのを見たことがありますが、いまだに神社には多く残っていると思います。
さて、当寺には、奉納されたはずの「記念ブツ」は見当たりません。
祖母に尋ねてみましたが、実際、そういったものを目にしたことも聞いたこともないらしいです。
もしかすると、第二次世界大戦に梵鐘・仏飯器等とともに供出した可能性もありますが…詳細は不明です。
何はともあれ、現在は、蔵にこの紙きれ1枚が残るのみ。
振り返れば、明治維新以後、日清戦争、日露戦争(→明治40年、写真の紙と戦利品が各地に!)、第二次世界大戦突入から敗戦まで…正に諸行無常。
合掌