令和2年第3回日田市議会定例会。
昨日、24日間の全日程を終え、閉会しました。
コロナ禍、災害直後の議会であり、多くの議員が一般質問で取り上げました。今後も継続して、対策・対応に取り組むことになります。
また、新聞で大きく報道され、総務環境委員会で約2時間の審査を行った市庁舎「1階フロア階段撤去工事費」(979万円)について、最終日の本会議に、当予算を認めないとする全会一致での委員会修正案を報告しました。
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採決の結果、賛成18、反対2の賛成多数で、減額修正が可決されました。
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議員として5年半、これまで22回の定例会で審議・審査の機会を与えられましたが、予算の減額修正は、平成29年3月定例会(新しい公共推進事業)、平成30年12月定例会(豆田地区日田祇園山鉾収納庫整備事業)に次ぎ、3回目となります。
委員会において、私自身は議事を進行する立場にあり、ガツガツとは質疑できませんが、出席したすべての委員が、様々な角度から、熱心な審査を行いました。階段撤去の是非と今回の結論に対し、賛否両論あるとは思いますが、私は、議会の判断は、的確であると言い切ります。
今回、執行部が計画した階段撤去は、事業費の95%にあたる930万円を「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」で賄おうとするものでした。国からの交付金であろうと、市の一般財源であろうと、「公金」であることに変わりはありません。
その「公金」の使い途を審議・審査する議会に対して、「議決してくれたら、詳細はこれから協議します」と言わんばかりの、順序立てた計画とはいえない、生煮えの予算案を提出するなど、甚だしい議会軽視だと思います。
本会議終了直後、市長は、マスコミの取材に応じ、「説明の段階で職員から納得のいく説明ができず、うまく伝えられなかったのかな」と述べたそうです。どんな経緯・経過を経て提案された事業なのか、よくわからないままでしたが、議案の提出者は、市長名であったと記憶しています。
職員への責任転嫁、他人事のように受け取られても仕方ないコメントには、不祥事に関するものと同様で、もはや言葉がありません。また、市長からは、12月定例会までに、再提案するとの意向が示されたようです。
【総務環境委員会の審査結果報告】
最後に、2 款 1 項 5 目 財産管理費のうち、1階フロア階段撤去工事費について申し上げま
す。
本事業は、新型コロナウイルス感染症対策として、来庁者の密集を避けるため、1階フロアの階段を撤去し、市民課前の待合スペースを確保するものであります。
審査では、「新型コロナウイルス対策の一環として、ソーシャルディスタンスの確保を図ることは当然必要なことであるが、階段を撤去するという発想よりも前に、国が示す地方創生臨時交付金活用事例集を参考にしたサーモグラフィーの設置、検温、隔壁の設置を検討するなど、現状での工夫ができることがあるのではないか」「市庁舎は、市民の大事な財産であり、階段は、建設当時、デザインや設計の要素が非常に大きく、建設から約30年親しんだ階段を撤去することについて、市民や職員の意見を聞こうという考えはなかったのか」「1階フロアの関係各課を中心に構成する窓口連絡会では、階段撤去についての議論が行われていないため、この予算は、職員の意見を反映した内容とは言えない。しかも、予算を編成した後に、関係各課で正式な協議を行うなど、庁舎内の連携が取れていないのではないか」「最小の経費で最大の効果を上げるという原則に照らし合わせて、費用対効果について、十分な検討を加えたのか」「市民、職員、議会の意見を幅広く
聞き、熟慮した形で、予算案を提案すべきではなかったのか」など、多くの意見が出されたところでございます。
以上のような観点から、種々論議した結果、お手元に配付しておりますように、1階フロア階段撤去工事費の979万円を減額するとともに、併せて、その財源である歳入予算の15款2項1目 総務費国庫補助金のうち総務管理費補助金の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金から930万円、19款1項1目 財政調整基金繰入金から49万円の979万円を減額し、歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ490億4,898万6千円とする修正案が提出され、採決の結果、全会一致をもって 修正案のとおり、可決すべきものと決しました。