なな色メール 

シュタイナーの勉強会の仲間と始めたニュースレター。ブログでもその一部をご紹介していきたいと思います。

~夢に見る循環型社会~①

2013年09月10日 | ともこ
夏が過ぎ、風が吹くたびに涼しくなりすっかり秋の気配です。私は8月末にパタパタとワークショップの運営に携わったり、勉強会の催しに参加していました。秋田市の知人から田中優さんの講演会を秋田で開催する実行委に加わって欲しいと誘われたのがきっかけです。

田中優さんの講演会のために集った仲間ですが、講演会だけではなく “地方論”(地域で流通、ローカルで潤って暮らしを活性化)を基盤にした活動を秋田の地で行っていこうということになりました。
子どもたちの未来に残せる暮らしを提案するワークショップ、また県内ですでに自然を大切にした生活を紹介するなどの活動をされている個々をつないでいく、そういう流れの一助となるようなチームとなったらと思っています。
そのメンバーの一人、O君が代表を務める太陽光発電会社エナジーイノベーション主催の1日通しのイベントが8月にありました。この会社は市民出資を募って運営されており
出資者にはポイント制で毎年秋田県内の特産品をプレゼントするしくみを取っており県内(地元)の儲けとなることや、地元市民の協力を他でも受け入れ(またそれに還元)、大手外資系の企業が作ったものは外国に資金が流れるので、国内、県内で作って労働するということが大事だと話していました。


『循環型社会の学校』

<1時間目>

‐‐「手作り太陽光発電教室」‐‐㈱LOOP清水さん

ミニパネルを実際にバッテリーにつなぎ太陽光発電機を組み立てる体験教室。5万円台でセットが手に入ります。うす曇の空でも扇風機、テレビの電力が賄えていました。欲しい!先ずは携帯電話用のもっと小さい太陽光発電機から、かしら。

<2時間目>

‐‐「ドイツに学ぶ循環型社会」‐‐エナジーイノベーション小野くん
 
欧州のエネルギー施設の見聞談。環境ジャーナリスト村上敦氏の『Kwh=¥』を読み、触発されたとのこと。
 
日本の問題点 ――◎原発 ◎エネルギー自給率4% ◎人口の減少 がある。

ドイツでも同じ問題点があったがドイツは目標を明確にして突き進んでいる。
①CO2排出量を2050年までに(1990年比較)95%削減
②2020年までに原発“0”!
③2050年までに再生可能エネルギー40%アップ

戦略
①省エネ政策
②エネルギーのより高効率での利用
③再生可能エネルギーの開発

省エネリフォーム(人口減少によって公共支出も減額となり新築するのが減った)省エネリフォームに助成金もつけて推進した。市営住宅もリフォームし、金額をアップして入居させた。新築したい人にも省エネ水準を満たすことを条件にしている。(断熱材の利用)これにより、化石燃料の輸入が減少した。(再生可能エネルギーの開発よりも国を挙げての省エネへの転換なんですね。)

次の再生可能エネルギーについては風力発電施設、農地をあましている農家が参入して始めている市民の再生可能発電所(太陽光発電)をまわってきたお話。パネルの下の草は羊たちが食べて草刈してくれているとのこと。

南ドイツ、スイスの国境付近の村では老人福祉施設にメタンガスエネルギーの利用システムを貸し出して地下に設置して、そこからのエネルギーを回収して売電するというシステムとなっている地域について聞きました。なんて合理的!雇用も潤い、そして何より働いている人が自分の仕事に誇りを持ち胸を張っている。ここがいいですね。


<3時間目>

‐‐「黒字化するバイオマス事業のすすめ」‐‐㈱開成 遠山さん(新潟)

瀬波温泉街の食品残渣(生ゴミ)、農業残渣、下水汚泥などをメタン発酵させ、メタンガスからコージェネレーション発電をしている。隣接した温室で南国フルーツ(ドラゴンフルーツ、マンゴウ)の栽培に着手し、成功している。
メタン発酵:有機物からバイオガスを取り出す(残った液肥は肥料として農地に)
 
コージェネレーションシステム:発電と熱を排出できるもの
南相馬市でも作物を食べないでエネルギー作物にするという動きがあること、沖縄ではTPPの影響でサトウキビが売れなくなったら、エネルギーに使うことを検討中とのこと。子供がお腹一杯と残した食べ物を見て「粗末にするな!」と怒らなくてもいいですよね。


<4時間目>

‐「麻の産業活用事例と可能性について」‐北海道ヘンプネット菊地さん

麻は現在では戦後に米軍が日本に入った際に栽培禁止となったが、それ以前は日本では古来より神事や衣類、花火の火薬、伝統用品などさまざまな形で使われていた。
 
マリファナを禁止する為にと栽培が取り締まられているが、マリファナになる種類の大麻は限られているのに、全面禁止となっている。中国では軍が開発しヘンププラスチック製品やヘンプクリートを利用しており、麻の衣類は高級品である。EU連合国では栽培を推進。(EU産業ヘンプ加工教会を訪問、ドイツでは2000年~)
  
アメリカで禁酒法が発令され警官が沢山いたがその後職にあぶれ、その時にタバコ、石油産業を推進したい政府がマリファナを取り締まる事を掲げて麻産業を潰したという悲しい歴史を知りました。身体の健康を考えると、タバコの喫煙、プラスチック製品の使用の方が断然よくないものなのです。マリファナはネイティブアメリカンやその他の部族の儀式で意識を拡大し神に近づく体験をする際に使用されていました。若者が常用すると、現実社会に適合できなくなり問題ですし良くはないですが、癌などのペインコントロールには他の麻薬よりは身体に副作用が無いのでいいと思います。日本でも麻の良さが広まって住宅建材に使われるようになれば循環型社会へとなります。これからのロハスライフのために広めたいです。


<5時間目>

「麻と縄文文化、循環型社会の創出について」ヘンプカー船長 中山康直さん
  
ヘンプカープロジェクト:ヘンプオイル(麻の実を絞って採取)を燃料にして日本各地を走行。沈殿物はナッツバター、油粕は粉にしてふりかけや、塩やハーブと混ぜて調味料に。(石油は二億年かかって作られるけど、麻なら1年でできる。地球に優しい!)
  
中山さんは縄文エネルギー研究所所長で名誉民族精神学博士です。宇宙、地球、生命というテーマで研究をされています。彼の著書『麻ことのはなし・ヒーリングヘンプ詩と真実』を買ったので、詳しい事はまた今度・・・。本より、マヤ暦(13の月の暦)と大麻暦がリンク!驚き! ――麻は一年草なので成長がそのまま暦に沿っている――  )

 

~夢に見る循環型社会~②

2013年09月10日 | ともこ
“つながるあきた地宝づくりプロジェクト”でも第一回目ワークショップを8月末に秋田市上新城の農家民宿“重松の家”で行いました。

スタッフとして関わり、お子さん連れの方が結構いらっしゃっていたのに色々配慮できず、私は自分も話を聞きたくて会場の方にばかりいたり他のスタッフや、せっかく参加していただいたのに厭きてきた自分のお子さんの世話にかかりっきりで会場になかなかいらっしゃれていないお母さんなどおられたようで反省しています。その辺を今後どうするか、改善点が盛り沢山です。下記内容です。

『未来の食のあたりまえ』

〔第一部〕「生産と測定の現場から見えてくるもの~まだまだいけるよ秋田の食べ物~」
午前中は311以降、秋田県能代で市民測定所「すくすく測定室」をされている齋藤範子さん、秋田中央にお住まいで食品の測定結果をブログで発信されている「ベグレデネガ」の斉藤さん、有機農法農家「ファームガーデン黄昏」の菊地晃生さんの三人に食品のじっさい測定したデータの資料を見ながら座談会風にお話いただき、測定に関わった動機や生産者から見た秋田の状況、身近な食材の汚染状況も教えて頂きました。

∵測定方法について。データの見方。数値だけでなく、グラフにして判定。

∵秋田沖の真だらから8ベクレル代の数値が出ている。

∵日本の土にはカリウムがあるので、セシウムを吸収しなかった。中島紀一さんという方が『福島の奇跡』とい著書で福島県の農地について調べて書かれている。

∵秋田県内の食材については山菜や川魚を除けば希望の持てる状況である。

∵県内各地で市民検査体制が出来つつある。

∵測定値の見方の勉強になった。(数値だけ見ず、グラフや、他のものの影響も考えて見る。)

∵大豆については少し高い数値が出ている。(根粒菌の影響か?)


〔第二部〕「あきたをつなげる地の宝」

午後はワールドカフェでした。OST(オープンスペーステクノロジー)という方式で、参加者全員が関心のある事項をかき出し、同じ項目同士でグループになり皆の意見を拾い上げて理想に近づくための具体策を出すというグループワーク行ないました。

出てきたキーワードは“自然との共生(人も自然の一部)”“自然農” “つながり(自然、人)を大切にする”“こども”“予防接種について”“消費を変える→買う~作る/地元の生産者から購入”“玄米菜食”“持続可能な社会”などなど。

一人一人ができる事は小さな事かもしれませんが、「出来る事から始めよう、自然を大切に、感謝して生きたい。」と共感できる人々と出会えてさらにそう思えました。
 
人間だけがこの地球に住んでいるわけじゃぁない。人間の勝手で無関係の野鳥や野生動物たちには放射能を浴びせてしまったのです。慎ましく生きられない私たち人間は傲慢です。

塵に還るものだけで良かったではないですか。

ありがとう。ごめんなさい。許してください。愛しています。

麻製品の普及が待ち遠しいですね。