『野心のすすめ』を読んで
林 真理子著 講談社現代新書
今ある自分は、過去の自分の野心が作ったもの。だから、未来の自分を作るのは、今の私たちの『野心』。著者の林真理子さんは、歯に衣着せぬ物言いで有名なエッセイスト、小説家。今の自分の暮らしに経済的にも精神的にも本当に満足しているの?と、厳しい問いかけをしてきます。特に「経済的に」のところを、シビアに詰めてくるのが彼女らしいところ。中年になり、肌もたるみ、身体のラインも崩れているのに、いつまでも若い頃と同じ安い服を着ているのって素敵かな?年をとったら、ワンランク上の服装をしてこそ年齢相応。上品でシンプルなお洒落では?たまには、少し豪華な温泉旅行に行ったり、奮発してビジネスクラスで海外旅行に行けるような生活に魅力を感じない?と、迫ってくるのです。「上」を目指してこそ、夢が叶う。目指さなければ、いつまでも現状のまま。だから、若い人はもとより、年齢を重ねた人も、こうありたいという自分の姿を思い描いて、それに向かって努力しよう!という励ましの言葉でいっぱいの本です。現在40万部も売れているベストセラー。
半分くらいは、林真理子さんの貧乏暮らしから超有名人になった上昇生活の体験談なのですが(エピソードが面白おかしく書かれて笑いが止まりません!)、最後のまとめで、女性が仕事をすることについて力強く自分の考えを主張しています。林さんが、女性として一番幸せと思えるのは、お金持ちと結婚した専業主婦とまずは述べながら。お金持ちの奥様は、ママ友とのランチ、エステ、趣味三昧の生活。幸せな人は、幸せの連鎖でつながってさらに恵まれていく(ちょっとやっかみもあるかな)。でも、こんな幸運な人生を送れるのは、女性の中のほんの数パーセント。大抵の女性は、そんな恵まれた条件で暮らすことはできない。自分の姿も重なりながら、林さんのメッセージを読むと、女性が働くことの意味を深く考えさせられます。
「ただ、私はやはり、どうしたって女性は仕事を持って、働くべきだと思っているんです。専業主婦のリスクということではなく、人生の充実感や幸福のために。自分の仕事が積み重なって、ある日、何かの結果が出るという楽しさは、恋とか愛ともまた違う、もっと人間的な深いところに根ざしている。・・・人間が成長するのは、なんといっても仕事だと思うんです。仕事とは、イヤなことも我慢して、他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身につけていきます。・・・世の中は理不尽なことで溢れていて、自分の思い通りになることなどほとんどありません。だけど人間は努力をしなければならない。それを社会で働くことで学んでいる。仕事から逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います。」p130~p136
林さんの言う『野心』とは「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持ち」「もっと価値ある人間になりたい」と願う心のこと。『野心』を持って未来にチャレンジ!!
林 真理子著 講談社現代新書
今ある自分は、過去の自分の野心が作ったもの。だから、未来の自分を作るのは、今の私たちの『野心』。著者の林真理子さんは、歯に衣着せぬ物言いで有名なエッセイスト、小説家。今の自分の暮らしに経済的にも精神的にも本当に満足しているの?と、厳しい問いかけをしてきます。特に「経済的に」のところを、シビアに詰めてくるのが彼女らしいところ。中年になり、肌もたるみ、身体のラインも崩れているのに、いつまでも若い頃と同じ安い服を着ているのって素敵かな?年をとったら、ワンランク上の服装をしてこそ年齢相応。上品でシンプルなお洒落では?たまには、少し豪華な温泉旅行に行ったり、奮発してビジネスクラスで海外旅行に行けるような生活に魅力を感じない?と、迫ってくるのです。「上」を目指してこそ、夢が叶う。目指さなければ、いつまでも現状のまま。だから、若い人はもとより、年齢を重ねた人も、こうありたいという自分の姿を思い描いて、それに向かって努力しよう!という励ましの言葉でいっぱいの本です。現在40万部も売れているベストセラー。
半分くらいは、林真理子さんの貧乏暮らしから超有名人になった上昇生活の体験談なのですが(エピソードが面白おかしく書かれて笑いが止まりません!)、最後のまとめで、女性が仕事をすることについて力強く自分の考えを主張しています。林さんが、女性として一番幸せと思えるのは、お金持ちと結婚した専業主婦とまずは述べながら。お金持ちの奥様は、ママ友とのランチ、エステ、趣味三昧の生活。幸せな人は、幸せの連鎖でつながってさらに恵まれていく(ちょっとやっかみもあるかな)。でも、こんな幸運な人生を送れるのは、女性の中のほんの数パーセント。大抵の女性は、そんな恵まれた条件で暮らすことはできない。自分の姿も重なりながら、林さんのメッセージを読むと、女性が働くことの意味を深く考えさせられます。
「ただ、私はやはり、どうしたって女性は仕事を持って、働くべきだと思っているんです。専業主婦のリスクということではなく、人生の充実感や幸福のために。自分の仕事が積み重なって、ある日、何かの結果が出るという楽しさは、恋とか愛ともまた違う、もっと人間的な深いところに根ざしている。・・・人間が成長するのは、なんといっても仕事だと思うんです。仕事とは、イヤなことも我慢して、他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身につけていきます。・・・世の中は理不尽なことで溢れていて、自分の思い通りになることなどほとんどありません。だけど人間は努力をしなければならない。それを社会で働くことで学んでいる。仕事から逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います。」p130~p136
林さんの言う『野心』とは「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持ち」「もっと価値ある人間になりたい」と願う心のこと。『野心』を持って未来にチャレンジ!!