旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

親孝行プレイ

2011-02-26 13:50:51 | 編集長の本棚
親孝行プレイ
みうらじゅん
角川文庫

この前バンコクを歩いていたら本屋のオジさんが7冊本をくれた。
重くなるのでほとんどの本は宿に置いてきたのだけれどこの本が一番薄かったので読んでみた。

最初は、よくある内容のないギャグ本かと思った。
一番面白かったのは本の内容ではなく、前の持ち主であろうか、どうでもいい内容のページに折り込みがしてあったことだった。

最後まで読んでわかったのだけれど、みうらじゅんという方はジョークの扱い方が上手な人だと思う。
それは笑わせるのが上手というのではもちろんない。
笑いの持つ力をよく理解している。

笑わせれば何でもありの笑えない芸人や、つまらない話ばかりする教育者などは、この本を読んで勉強すべきだ。
みうらじゅんという方の書いた違う本も僕は読んでみたくなった。
最南端のデザイナーの牧もきっとこんな本が好きなはずだ。

日本に帰ったら最近、母親を亡くした僕のオヤジにこの本を
プレゼントしようと思う。

眠れない夜

2011-02-26 12:31:37 | 
バンコクからネパールまではバングラデシュ経由の飛行機だった。
GMGという安い航空会社だったからか、バンコクの空港でゲートをぬけてからバスに乗り、
飛行機まで歩き滑走路から階段を使って飛行機に乗り込んだ。

機内にはバングラデシュ人の男だらけ。
シートナンバーも気にしないで好きなところに座っている。
機内はみんな家族のように盛り上がっている。
パイロットもそんな機内の雰囲気を感じてか飛行機が動き出しカーブを曲がり終える前に加速して、行くぞお!
と言わんばかりに、そのまま飛び立った。

離陸してからも機内は盛り上がったまま。
客室乗務員も男に負けず、いいかげんで機内食を通路側の席に座った人に預けて窓側の席にまわさせる。
そして、機内で昼寝をしていた。

バングラデシュに着いてからネパール出発までの18時間を空港内で過ごすことになった。
空港といっても特にやることはないので、空港内をウロウロしているとPRAYER ROOMというものを見つけた。
飛行機のパイロットやお客さんなどが続々とやってきて祈るのをボーッと観察。

夜になってベンチで寝ようとするが、とにかく信じられないくらいの量の蚊のせいで全く眠れない。
刺されると皮膚が熱くなるんだ。

どこかに眠るのにいい場所はないかと考えてるとPRAYER ROOMを思い出した。
さすがに祈りの部屋で寝ていたら怒られるだろなと思いながらドアを開けるとすでに10人ほど眠っていた。
その中にはガードマンまでいる。
寝場所を見つけて、よし!と思い横になるが、またしても蚊に邪魔されて眠れない。
サンダルに裸足なので1枚のビニール袋を靴下がわりに履いたが
それでも隙間から蚊がやってくる。

眠れん!

ゴミ箱をあさると機内で使う枕のカバーが2枚あったのでそれを履いて靴下にした。
それでも耳元にやってくる蚊のせいで寝れないので喫煙所でタバコを吸っていると、やってきた掃除係の若者2人と仲良くなった。
僕の足元を見て可哀そうに思ったのか、少し待ってて!と言ってどこかへ行ってしまった。
しばらくして輪ゴムを2つ持ってきてこの輪ゴムでカバーを止めた方がベターだ!とプレゼントしてくれ
僕の靴下が完成したが、もう朝になっていた。