旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

野田るみさん当選!

2011-04-13 11:58:25 | 最南端
石原都知事がまた当選して高円寺のパレードの参加者や関わった人たちからは落胆の声が多かった。
福島原発の設計に関わった方が、文明というのは車のようにリスクと便利さを同時に背負うものだが、
東京では原発のリスクを弱者に金で押し付け、電気という便利さだけを受けとるという卑怯なやり方は
許されないというような事を言っていたが僕も同意権だ。
「東京原発」という役所 広司主演の映画もある。

今回の石原が圧勝した結果は全てではないが東京都民が弱者切捨てを認めているかのように見える。
投票率から考えれば関心すらないといった印象だけど。
脱原発側から落胆の声が出るのもよくわかる。

でも、悪いニュースばかりじゃない。
最南端3号目の記事の中で名古屋で突然300年続く湧き水が湧く田んぼが埋め立てられた
という記事を載せたが、そこは名古屋の野田農場という場所だ。
名古屋市内で唯一蛍が見られる場所でもある。

僕は何度か行ったことがあり、「カンタ・ティモール」という映画の広田監督、音楽の小向定さんと初めて
会ったのも野田農場だった。
ある日、湧き水が湧く田んぼは埋め立てられたが、まだ一ヵ所湧き水が沸く場所があった気がするという
おばあさんの記憶をもとにみんなで草をかき分けて探し、湧き水を見つけた時は本当に嬉しかった。

その野田農場の長女の百姓で主婦の野田るみさんが名古屋の県会議員に出馬して当選した。
僕にとって最近の一番嬉しいニュース。

続 オカマのおじさん

2011-04-13 03:10:40 | 
翌朝のフライトが早かったので、朝の5時半にタクシーに乗って空港に行く事になっていた。
ネパールの早寝早起きの規則正しい生活から、タイに戻ってきて1日で生活のリズムが変わって
朝5時に起きられる気がしなかったから、宿で寝ないで朝を待つことにした。

旅の最後の食事は、いつも行っていた日本食屋でとることにした。
少し遅めの夕食を終えたら細い路地にあるコーヒーの屋台でアイス・コーヒー(ラテ)を受け取って、
宿に帰るのがバンコクでの夜の過ごし方になっていた。
酒は飲まないし、ブラックコーヒーで腹をこわす僕にはタイの甘いコーヒーがちょうどいい。

朝まで時間があるけど、とりあえず荷物をまとめようかと宿の階段を上っていると、
前日に会ったあのへヨカ(道化)が部屋からちょうど出てくるところだった。
スカートを穿いて、何かを塗ったらしく顔がキラキラしている。
そして、誰が見てもすぐに男だとわかるハゲかかった頭。
手には踊るときに振り回すのであろうポイ。
これから通りへ踊りに行くであろうオカマのオジさんに偶然遭遇したのだし、僕も一緒に行きたいと思って
「ちょっと待っててくれ」と伝えた。

オカマのオジさんは観光客が集まる大きな通りに出ると、まずコンビニに入ってドライジンを飲みながら
出てきた。
それをすぐに飲み終えると周りの観光客に指を指されるのも気にせず、二本目を飲み始め歩き出した。
観光客に声をかけられて、僕がカメラで彼と観光客の写真を撮ってあげると、彼はカメラを取り出したついでに
いままで撮った写真を見せながら話をした。
キレイな彼の彼女の写真もあった。

通りに面した大きなカフェバーで足を止めると、オジさんはそこでながれている音楽が気に入ったのか、
僕に飲みかけのビンとバックを預けてダンスを踊り始めた。
周りに人が集まってくる。
写真を撮る人、指を指して笑う人、気づかずに彼の横を通って踊りの邪魔になる人。
その横で彼の酒と荷物を持っている僕。

こいつはアホなのか、ただの変態なのかと踊りを見ながら僕は悩んだ。
ただ目立ちたいわけじゃない。
パフォーマンスでお金を稼いでいるわけでもない。
でも、何が目的なのかわからない。
休憩のときに何事も無かったように話をするようすは、どうやらアホでもなければ狂ってもいないようだ。
カフェバーの店員に「店の前でやるな!」と言われても彼は怒ることもなく礼儀正しい。

オカマのオジさんは踊りがうまいわけではないけど、踊っているときは幸せそうでカッコよかった。
僕にとっては今回の旅で一番の出会いだった。