旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

FORMOSA 自転車の旅3

2012-04-03 20:18:07 | Quiet Adventure
2日目、午後。
海岸沿いに自転車を停めて地図を眺め、あいかわらずひとりの時間を
楽しんでいる僕がそこにいた。

このまま海岸線を南に行くのか、それとも近道の9号線を行こうか
迷っていた。
自転車を漕ぎつづけた脚は、すでに自分の脚ではないかのように
力が入らない状態だということと、海岸線の道は途中で道が無くなる
ということを友人のダン君から聞いていた。

そこに道がないのには理由がある。
台湾の都会が集中する西側の電力を台湾の先住民が暮らす東側の
原発が電気を供給しており、その先にはさらに核の最終処分場も
計画されている。
そこに道を通すということは、最終処分場に繋がる道をつくることを
意味している。
先住民を中心とした地域住民は国立自然公園にすることで、道を通すことを
阻止する方法をとり、人民党、国民党、みどりの党が国立自然公園にする
ということにサインしているが、選挙前のパフォーマンスだろう。

結局、僕は近道であろう9号線を進むが、そこには平面の地図ではわからない
テンションが高いというだけでは、とてもじゃないが乗り越えられない
強烈な上り坂。
坂道の大半は自転車を押し、時々ある緩やかな下り坂を自転車に乗るという
ことを繰り返すこと3時間。
やっと頂上に着く。
山の雰囲気はラオスの山にどこか似ていて、風が気持ちいい。


そこからいっきに、ブレーキから火が出るんじゃないかと思うくらいの
坂を下り続け、また海岸に出て宿泊場所を探す。