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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

「ministock-DJ」-新潟の狭小住宅、自然素材、高気密高断熱、高耐震-

2011-05-09 18:47:36 | ministock-狭小住宅・小さい家-

ミニストックをコンセプトにした派生プランを紹介していますが、「時代性」を考慮して長期優良住宅対応プランも検討しています。

ミニストックは、ある1点だけ長期優良住宅の基準を満たしていません。

それは、建物の規模

長期優良住宅の認定を受けるには75㎡以上の床面積が必要で、かつ、1つの階の面積が40㎡以上必要です(階段の面積を除く)。

ミニストックは、1つの階で30㎡ですので、ワンフロアで30%増、延べ床で50%も増やさなければいけません。

ミニストックの一番の特徴を崩さないといけないので、非常に難しいです。

一定の仕様に沿って、プランのバリエーションが増えるのはハウスメーカーが発表する規格住宅であって、ネイティブディメンションズが提案する企画住宅は、一定のコンセプトに沿って、プランのバリエーションがあります。その分、非効率で手間が掛かりますが、

何十年と過ごしていただく住宅に対して、私の数カ月の手間はそれの比較に及びませんので、頑張ろうかなと。

だから、設計事務所なんです。(*)

さて、そもそも50㎡の家を設計したのに、75㎡の家を小さい家としてリニューアルする。小さい家にとって、プラス25㎡はどんな付加価値でなければいけないのか。ミニからニューミニにモデルチェンジするのと似たような悩みです。

少なくとも建物容積が増え、換気風量が増えていますので、同じ仕様であれば熱損失も増えています。

しかし、熱損失は今までご紹介してきたミニストックよりも極力増やさない様に慎重に検討していきます。

と言うのも、ミニストックの総熱損失がこれからの新潟における住宅の1つの目安(もう一歩先の「時代性」)と考えていますので、面積が増えるにつれ、断熱化は必要だと思います。(熱損失係数と総熱損失の考え方については、先日も触れさせていただきましたが、大きさは違えど総熱損失は(大きく)変わらない的な発想です。鋼材の引っ張り強度とヤング係数みたいな。分かりにくい例えですが。)

これは避けられない事ですが、ミニストックのコンセプトは、単に断熱化に頼るのではなく、プランニングにおける設計力を最大限に活かして、総熱損失減らす事です。

但し、使い勝手的な要素は、75㎡もあると、ある意味どうにでもできちゃう広さです。

今まで50㎡で考え続けてきたので、75㎡は豪邸クラスです。いろんなご要望に応えられます。

考え方はご家族の数だけ出てきてしまうので、「敢えてコレ」というプランは難しいのですが、それでは少し無責任ですので、長期優良住宅対応プランは2つ(予定)用意します。

その一つ目が「ミニストック-DJ

Ministockdj_2 

純粋に建築面積9坪はいくらなんでも狭い。もう少し広い床面積をご希望されるご家族向けです。

ミニストック以上の断熱化が必要ですが、極力容積を抑えますので、プランの傾向としてワンルームの要素が強めです。

上のアクソメ図は1階です。

ワンルームが特徴ですが、もう1つの特徴がキッチン中心の間取りになっている事。

見渡せるけど、見せたくない所は見えにくい、そして、動線はとにかく短い、けど、他と重ならない。ついでを言えば東西南北に風が通り抜ける。

一応、一番需要が多そうなポイントを抑えたプランです。

ミニストック-DJはミニストックよりもう一歩断熱化を進めた企画ですので、それ以外のご要望にも応じる事が可能です。

通常の設計料となりますが、フリープランで対応します。

もう一つの企画プランは、せっかくですので大いにひねくれさせて頂きました。

それはまた次回。

(*)念の為、「だから、設計事務所は設計料が高い」と誤解しないで下さい。事務所や会社に関わらず、設計士が設計している限り、設計料は発生しています。諸経費に紛れ込んでいるか設計料となっているかの違いだけです。


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