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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

住宅の燃費

2015-06-02 03:22:32 | 建築雑談
自動車の燃費って1リットルのガソリンで○km走れるかを表しますよね。
これって分かりやすいですね。

Aの車とBの車の比較がとても簡単です。

一方、住宅でも最近は燃費の表現を使うようになってきました。
1平方メートルの床面積にエネルギーを○kwh使うかで表します。
単位そのものが難しいと思うのは仕方がないにしても、これって分かりやすいのかな。

例えば60kwh/平方メートルの家と30kwh/平方メートルの家では30kwhしか必要としない家の方が性能が良いという事になります。

でも、これって性能がいいだけですよ。

もちろん自動車の燃費も性能の良さの比較ですが、皆さんが燃費を気にされる理由って燃料費が安いかどうかを比べたいからですよね。
だからAの車とBの車の燃費を比べた時、燃費のいい車を選んどけば燃料費がかからないという事になります。

ところが住宅の場合、この燃費で住宅を比較したとしても、それが光熱費の安い家かどうかの判断には直結しません。
というのも、60kwh/平方メートルの家が100平方メートルの大きさだったら、その家は6000kwhのエネルギーが必要な家という事になります。
一方、30kwh/平方メートルの家が250平方メートルの大きさだったら7500kwhのエネルギーが必要な家という事になり、毎月の光熱費は30kwh/平方メートルの家の方が大きくなってしまいます。

つまり、住宅の燃費の場合、性能の比較はできますがそれは光熱費の比較には直結しません。

光熱費を比較したい場合はあくまでも家全体で○kwh使うかが重要になってきます。

自動車の燃費比較とは違いますので、十分に注意してください。

これに気が付かないとどういう事が起きるのか。
住宅のエネルギー消費は毎年増え続けているから、こんなにも省エネルギー省エネルギーって言われるわけです。

でも、家電製品の消費電力が増えているのが原因じゃないですよね。ブラウン管のTVに比べて液晶TVの消費電力はとても少ないです。冷蔵庫だって一緒。一頃に比べれば消費電力は格段に減っています。

エアコンだって、消費電力が2倍も違うものだってあります。

こんなにも省エネルギーの機器が増えているのに、家庭のエネルギー消費量は増えている。

理由は数が増えているから。

一つは世帯数が増え続けている。
昔は2世帯の住まいが普通でしたが、今は単世帯どころか子供も一人暮らしでみたいな感じで世帯数が増えているために、必要な家電製品の数が2倍3倍に増えています。
一緒にくらしていても一家に一台の時代から一部屋に一台の時代ですから、やっぱり数が増えている。

いくら、省エネ機器だとしても、数が増えたら省エネにはなりません。

住宅の燃費表記もこれに近いです。
いくら性能が良くても、大きすぎる家だと省エネにはなりません。

住宅は、皆さんにとってちょうどいい大きさかどうかがとても重要です。









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