ミニストックの屋根材は、シングル瓦を採用しています。輸入材料ですが、雪の多い地域において、使いやすい特徴を持っています。
この屋根材を使うようになって、かれこれ5年経ちましたが、北米ではすでに30年以上の実績を持っています。
ミニストックが大切にする普遍性にも合っています。メンテナンスは1枚単位からの補修が可能で、全面の場合は重ね葺きが可能です。
シングル瓦は日本でのJIS規格がない為、かつて一部の商品で凍害が発生し、日本ではあまり使われなくなりましたが、ネイティブディメンションズで採用しているシングル瓦は、アメリカでの規格に適合しており、寒さに対して日本より厳しい北米での実績が、何よりの信頼を得ています。
雪の多い地域での凍害に対する性能はとても重要ですが、それと同じくらいに大切な性能は、材料が軽い事。
屋根の材料が軽い事は、地震に対してとても有利に働きます。重量の重い屋根を使うと頭でっかちになり、振り子の原理で建物が大きく揺れる原因になってしまいます。
また、建築基準法における木造住宅の地震に対する設計では、屋根に雪が積もっていない条件で計算します。
だから、重い材料の屋根の上に雪が積もった状態で地震が発生したら、それは想定外になってしまいます。
えぇ・・・
としか、言えません。
だから、基準法をクリアしている事は、決して万全の安心ではありません。最低基準をクリアしているだけです。あとは、どのような安全対策が必要なのかは、設計士の判断に任せられているのです。
そこで、木造住宅だけの地震設計だけでなく、一般建築物で使用する構造計算を行い、積雪時の揺れに強くなるように壁や床の剛性を上げる事は可能ですが、その為に筋かいが増え、吹き抜けがなくなり、結果、コミュニケーションがとりにくい、間取りが使いにくい、となってしまう様では、私は間取りを優先し、軽い屋根を採用します。
(ネイティブディメンションズでは、構造計算を行ったうえで、軽い屋根を採用しています。重たい屋根でも検証を行い、ミニストックを設計しています)
次に、この屋根材のもう一つの特徴は滑りにくい事。
多くの屋根材は、滑るのをこらえながら歩きますが、この屋根材は表面がざらざらしている為、歩くのにも支障ありません。という事は、雪も落ちにくくなっています。
最近は敷地の大きさから、建物のすぐ目の前にカーポートがあり、屋根から落ちた雪で車がつぶれてしまうトラブルも発生しています。道路際の建物では、通行者に屋根で凍った雪の塊が落ちてきて怪我をした事故も報告されています。
一昔前であれば、敷地に余裕があり、車の保有台数も少なかったので、雪が落ちる事は当たり前でしたが、敷地の平均サイズが小さくなった現在では、雪が落ちない設計は、今風で、今後取り入れられるべき設計と言えます。
この辺りは、ミニストックの「時代性」と言える部分です。
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