起きて半畳、寝て一帖。天下とっても2合半。
よくまぁ、昔の人はこんな言葉を思いついたものだと感心してしまいます。まぁ、人間性的な部分を言っているのかなと思うんですけどね。
でも、これからの省エネ住宅のテーマとして実生活にも当てはめて行きたいなとも考えています。
そもそも工業製品や生態系、嬉しくないけど企業でも、ダウンサイジング(モノの小型化)が当たり前の考え方となっています。身近なものではパソコン、携帯、リストラ等など。なぜ住宅では一般化しないのでしょうか。
最初の言葉の通り、ヒト一人の就寝スペースは1帖もあれば充分です。現代ではベッドが主ですから1帖強になりますが。
そこに机や本棚を付け加えるとプライベートスペースは3帖程度が最小限の大きさかなと考えています。(あくまでも最小限)
加えて子供部屋は1人1室がセオリーですが、夫婦寝室は2人1室がセオリーです。2人1室の方がコンパクトにまとまるイメージがありますが、そうとも言い切れません。
1人のスペースを3帖として、2人1室とすると6帖になりますが、一般的な6帖というと1種類しかありません。
しかし、1人1室を繋げる考えに切り替えると合計6帖のパターンは増えます。
夫婦二人が並んで就寝する決まりはありませんし、ある年代以上になると夫婦別室を希望される方が増えるくらいです。
だからと言って、入口を2つ作る決まりもありません。入口一つで二つのスペースがある考え方もあります。
セオリーだけでなく考え方を増やす事で、間取りの自由度を増やす事ができます。
また、ダウンサイジングは全体の大きさを小さくしたいだけで、個々の室を小さくするものではありません。
プライベートスペースを最小限にする事でパブリックスペースを狭めずに全体を小さくする事が可能ですし、プライベートスペースとパブリックスペースが曖昧であれば広く見せる事も可能になります。
家族を一つの単位として考えれば、パブリックスペースを充実させた方が理にかなってます。
「曖昧」という言葉も昔の人が考えた傑作だと思います。そうとも言えるけど、そうとも言えない。
勿論、間取りは100家族あれば100通りの間取りが出来上がるので、このお話も一つの例でしかありません。
一つの例にとらわれない事が既成観念を外す事でもあります。
既成概念を外す事が住宅のダウンサイジングの一歩になります。
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