
若い方に問われました。
『殺処分ゼロを止めたとして、今いる子はどうなるの?』
ゼロ狂騒の以前に戻ります。
収容された犬猫から選別をして、認定団体に引き渡されたり、譲渡会などで里親探しをします。
今まで、咬傷の恐れのある野犬や慢性疾患のある猫などは行政が引き受けていました。
ヒドイ差別だ!命の重さは同じなのに可哀想!と思われるかもしれません。
しかし、現状では全てを救うことは出来ません。
まだ蛇口が閉められないままなのに、殺処分の出口を無くしたら、どうなるでしょう。
・保護施設で飼い殺し状態
・野に放たれ排除される
皆さんの見えない所で、動物たちは苦しみ喘ぐことになります。

保護譲渡活動の目的は、1頭でも多くの犬猫に家族を見つけ幸せになって貰うことです。
ですから、譲渡しやすい個体を選びます。
● 子猫や子犬
● 人懐こい犬猫
ピースワンコを例に具体的に見てみましょう。
平均して1ヶ月に120頭が収容され、30頭が譲渡されているとしましょう。
※ 返還と併せての公表のため...適性となれば10件以下かも。
1年に1080頭が残留します。
ピースの場合、自家繁殖していますから1500頭ぐらいかな?
この頭数が年々、積み重なって行きます。
4桁の保護犬を生かし続けるためには、億単位の費用が必要とのこと。
しかも永久に増え続けます。

このコストを不妊去勢手術に充てたらどうでしょう。
★センターなど公共施設で収容動物へ手術
★保護団体は格安 or 無料
★飼い主のいない猫は全面無料
★医療の行き届かない地域へ出張手術
翌年には、子犬子猫がガクンと減ります。
よって、大人猫の譲渡が促進されます。
今まで譲渡に不適切とされた老犬老猫にも受け皿が出来ます。
センターでは、収容動物の管理にかかっていた支出が浮き、負傷や病気の犬猫へケアが可能になります。
保護団体も抱える頭数が減り、野犬のトレーニングや野良猫の家猫修行する時間が生まれます。

目下のところ、殺処分しないがために、金銭もエネルギーも一極集中してしまっています。
再び、ピースワンコ。
いずれ、引渡しはストップされるでしょう。
このまま突き進むことは、誰の目から見ても無理難題です。
そうしたら、今まで譲渡に漕ぎ着けていた毎月30頭のチャンスも消え去ります。
冷静に選ぶことをしなければ停滞しパンクしてしまうのです。
広島の蛇口は全開しっぱなしですから、センターへ収容が止まることもありません。
繁殖制限をしようにも、4桁の保護犬を生かし続けていくだけで莫大な出費となり、とても手が回りません。
いつまで経っても、不幸な悲しむ命は溢れています。

視線を殺処分のもっと先へ。
特別な訓練や治療は必要じゃない。
殺さないための収容施設はいらない。
その死を決して無駄にしてはならないと誓いましょう。
もう「処分せざるを得ない命」を生まないことを見つめましょう。
幸せを与えず尊厳を奪い、ただ生かすのではなく...
その命を共生社会の未来へ繋いでいく...
それこそが、今私たちがやるべきことだと思うのです。
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#ピースワンコ#殺処分ゼロ#多頭飼育崩壊
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