信州（神洲） 長野県【戸隠神社】

信州（神洲）長野県【戸隠神社】


長野県の戸隠は、長野と新潟の県境に広がる信越高原の南端にあり、奥信濃の修験道の霊地として栄えた。



戸隠神社【御祭神】天手力雄


天岩戸隠れの神話で、天照大神が身を隠した岩戸から引き出されたとき「岩戸」が天手力雄によって飛ばされ、その岩戸をここへ隠したとの由緒で、
戸隠しと言う。

戸隠神社とは、宝光院、火之御子社、戸隠神社中社、九頭龍社、奥院と、戸隠に点在する５社を総称してよんでいるらしい。(正式には三社)

全部周ると３時間くらいはかかるだろうか…

　　



1.【戸隠神社・宝光院】


御祭神　天八意思兼命(オモイカネ)の御子神・天表春命
　創　建　1058年


270段の階段を上がってゆく

　　　　狛犬

拝殿

摂社



2.【火之御子社】

宝光院と中院の中間にひっそりとある。

　

天岩戸隠れの神話で、隠れてしまった天照大神の気をひいて岩戸を開けさせる為、岩戸の前で踊った天鈿女命(アメノウズメ)が祭られている。

その昔、西行法師が戸隠に詣でようとしたところ、ここの桜の木の上から子供達に揶揄されこれ以上踏み込むことの恐れおおさを諭されて、火之御子社から奥院を遥拝し引きかえしたとの伝承がある。



3.【戸隠神社・中社】


天岩戸を開ける方法を考えた知恵の神『天八意思兼命』(オモイカネ)が祭られている。

　　Ｗ狛犬




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


4.【戸隠神社・奥院】

戸隠山・九頭龍山へ続く麓にある。駐車場５００円(道路の反対側の駐車場は無料)

10メートルと離れてないのに値段の違いは?とガードマンさんに尋ねると、「こっちの舗装の方が整地されている(笑)」とのこと。快く停めさせて貰う。


　　　　参道

奥院までは徒歩40分ほどなだらかな道を歩く。最後は登り坂なので、坂の手前で一息つかないと、息がきれる。


随神門

高麗犬(こまいぬ)


戸隠神社の創建は８４９年頃～戸隠寺(奥院)が起源で、明治の神仏分離により奥院とあらためられる。

それ以前の信州は、

４００年頃～日本最大の高句麗式の積石塚古墳群【大室古墳】(長野市)があり、高句麗からの渡来人の上陸地だった様だ。
６８４年には天武天皇（高句麗系）による遷都の計画もあり、高句麗の影響が強い場所として考えられている。



5.【九頭龍社】

奥院の手前に祭られている。

不思議なことに、【天岩戸隠れ神話】が由緒であり、天岩戸隠れの神々たちが祭られているにも関わらず、神話の主人公であり岩戸に隠れた天照大神が何処にも祭られていない。

天照大神の天岩戸隠れの神話を由緒として天照大神を祭る【天岩戸神社】は全国に多数あるが、

天照大神の神話を由緒としながらも天照大神を祭らない戸隠神社というのはここだけの様だ。

奥院

鍾乳洞に雫が、いってきいってきしたたり落ちるような精妙なエネルギーを感じる。




【戸隠神社】

長野県長野市戸隠３５０６





ホツマツタエの戸隠の伝承

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
細矛千足国(サホコチタル国)の国司・椋杵命(イザナギの弟)の娘である持子は、姉妹の早子と共にスサノオに近づき、天照大神の天位を奪う陰謀を企んでいた。

しかし気配を察知した瀬織津姫によって発覚してしまい、高天原を追放される。

※細矛千足国(=鋭い武器が充分備わっている国)は、イザナギ・イザナミがこの国を治める以前に山陰地方にあった国。

（ヤマトは心安の国、細矛千足国、とも言う）

追放されてさすらい、やがて持子は瀬織津姫への怒りと妬みで怨念が凝り固まり九頭の大蛇(九頭龍)へと転じてしまう。

その後、九頭の大蛇は島津彦によって越の国(敦賀)で発見され、信濃へと追われてゆく。

そのことを聞いた、戸隠大人は信濃へ向かった…

「おまえは今、身の怨念の炎を断たねばならぬ。私の御饌を喰らい穢れを清めればまた人と生まれ変わることもできよう」と言った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

九頭龍社は戸隠神社に天力雄命が祭られる以前から、もともとこの場所に祭られていたそうだ。

天照大神の天岩戸隠れの神話を由緒としながらも天照大神を祭らない戸隠神社は、
九頭龍の元へ諸神が配され、天照大神から遠ざけ守っている様にも思える。


福井、箱根(ヤマトタケル)～ギリシャ神話(ヘラクレス)まで、多頭龍退治の伝説は多いが、

戸隠に隠れされた水神・九頭龍様には深い憂愁と哀傷を感じてしまう。

怨念は断ち切ることができたのだろうか、、


✨🐉✨✨✨✨✨✨✨

戸隠神社が創建されて間もない10世紀頃の戸隠には、鬼女・紅葉の伝説もあった。

「美女・紅葉は源氏の初代棟梁である【源経基】(清和天皇・孫)の側室となったが、正室への病を呪ったとされ信州戸隠へと流されてしまった。しかし紅葉は都への執着が消えず再起をはかって戸隠山へと立て籠り盗賊の首領となった為、鬼女と恐れられるようになった。
帝は平維茂に討伐を命じ、紅葉は降魔の剣によって討ち果たされてしまった。」


戸隠。といえば、蕎麦、忍者、山岳信仰、パワースポットととして知られる場所だが、
何よりも、身を滅ぼすほどの強い執着や妬みを、断ち切るよう祈りたい。


「嫉妬を罰として与えられたら、その人の人生は心が晴れることがない」と云われる程、妬みや執着はやり場のない悔しさで心が焼き尽くされてしまう。


九頭龍神社は縁結びの神社としても有名だが、

良縁を結ぶということは、新しい縁を結ぶ前に、まず古い縁を断ち切ることなのだろう。

（ホントに切れます😌）

～戸隠は、執着を手放し心を解放する、深い癒しのスポット～

 

お読み頂きありがとうございました🙏

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