5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。
あじさいのうた 原由子
見た目が玉ねぎのような南アフリカ原産の球根植物です。玉ねぎのような球根から細く長い葉を伸ばし波打つように垂れ下がり、葉はすべて根出葉です。
球根の中心部から径3mm内外の花茎を15cmほど伸ばし枝先の分かれた先に1~10個ほど花が上向きに咲きます。
6弁の花弁はいずれも同じ形をしていますが、外側の3弁だけが開き、内側の花弁は閉じたままの筒状になります。
アルブカとはギリシア語の「白い」の意味で、花色からきています。フミリスとは、「低い」の意味です。
<アルブカ・フミリス キジカクシ(ユリ)科アルブカ属>
5/2 つくば実験植物園
北海道から沖縄まで日本各地の山野に分布する樹高2~4mの落葉性低木。塩害や大気汚染にも強く道路の中央分離帯などに多く利用されています。
枝葉にイボタロウムシ(イボタカイガラムシ)という虫がつき、オスは体から白いロウ(蝋)を分泌します。
このロウは「白ロウ」とよばれ工業用ロウとしてワックスなどに利用されています。
本種の名前の語源は、カイガラムシの仲間のイボタロウムシという昆虫が樹皮に寄生し、分泌した白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れることから。
<イボタノキ(水蝋の木) モクセイ科イボタノキ属>
5/2 つくば実験植物園
スペイン~ポルトガルに分布するアヤメ科アヤメ属の多年草。和名は「スペイン菖蒲(すぺいんあやめ)」で、開花は5~6月頃です。
花の直径は5~6cm程度で、外花被片の基部中央が黄色くなっています。内花被片は萎れ気味です。
<イリス・クシフィウム(スペイン菖蒲:すぺいんあやめ) アヤメ科アヤメ属>
5/2 つくば実験植物園
イギリスで自生している深青色のベル型の花で、森林の中に甘い香りを放ちながらカーペットのように群生で咲きます。
イギリスではこの花は春の訪れを知らせる花として古くから親しまれています。
狭釣鐘形で芳香があり、茎の片方に花が付く為、先の方が垂れ下がって咲くのが特徴です。
<イングリッシュ・ブルーベル キジカクシ科ヒアシントイデス属>
5/2 つくば実験植物園
北海道南部から九州まで日本各地に見られるアジサイ科の落葉低木。開花は4~6月で、小さな白い花が円錐状になって枝先に咲きます。
旧暦四月(卯月)のころ咲くことから別名卯の花とも呼ばれ、その涼しげな姿は古くから短歌や俳句などにも多く詠まれてきました。
和名は幹が中空であること「空木(ウツギ)」に由来しています。別名の卯の花(ウノハナ)はウノハナウツギの略称です。
ちなみに、豆腐のしぼりかす(おから)をウノハナと呼ぶのは、この白い小花の咲いている姿と似ているからです。
<ウツギ(空木) アジサイ科ウツギ属>
5/22 あけぼの山農業公園
日当たりのよい山野の道端に生える多年草。根生葉は長い柄があり、3~5つに分かれた葉がついています。
花の直径は約2センチで、光沢がある黄色い5枚の花びらが上を向いて開きます。茎や葉の柄に開出毛という、外側に向かって立つような毛が生えているところが特徴です。
名前の由来は、根もとから出る根生葉の形が「馬の足形」に見えることによるとされますが、実際はあまり似ていないという声もあります。
どちらかというと人の手の平の形に近く、最近は、別名である「キンポウゲ(金鳳花)」で呼ばれるほうが多いようです。
<ウマノアシガタ(馬の足形) キンポウゲ科キンポウゲ属>
5/2 つくば実験植物園
道ばた、土手、林縁 など、いたるところに生えるつる性の日本在来の多年草です。ただし、ただし全国的に見ると減少傾向にあるようです。
全体に思わず顔をしかめたくなるような強い悪臭があり、また有毒で食べられません。夏から秋にかけて、葉わきにラッパをねじったようなかたちの花が次々と咲きます。
果実はぶら下がるようにつき、その姿がまるで馬の首につける鈴のように見えることから本種の名前があります。
<ウマノスズクサ(馬の鈴草) ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属>
5/2 つくば実験植物園
ラン科に属する多年草で、日本を含む東アジアが原産地です。春咲き品種と夏咲き品種があり、色彩豊かで繊細な花を咲かせることで知られています。
開花期は4~5月、葉が出てくるとともに花茎を伸ばし十数輪の可憐な花を咲かせます。
地表近くにできる根茎がエビのように曲がって連なっているため「海老根(エビネ)」の名前があります。
<エビネ(海老根) ラン科カランセ(エビネ)属>
5/2 つくば実験植物園
たくさんの品種がある植物で、それぞれの品種によって花の色や形、開花時期も様々です。環境に合わせて鉢植え、地植え(庭植え)で育てることができる点も魅力です。
本種は740種があるといわれ、そのうち16種がヨーロッパに、ほかの大部分のものは南アフリカに自生しています。
わが国では、鉢物として40種、50品種くらいが流通しています。繊細な枝に小さな花がびっしりと咲くため、株全体を見るとにぎやかな印象を受けますが、一つ一つの花も可憐で個性豊かです。
<エリカ(品種不明) ツツジ科エリカ属>
5/2 つくば実験植物園
ヒマラヤ地方を原産とするオウバイやソケイの仲間。開花時期は3~4月でオウバイよりやや遅れて咲きます。
花の直径は4~5センチほどでオウバイより大きく、花びらが6~10枚に分裂するため、二重咲あるいは八重咲に見えるのが特徴です。
<オウバイモドキ(黄梅擬) モクセイ科ソケイ属>
5/22 あけぼの山農業公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「5月の花のアルバム②」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム③」に続きます。