沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属のヘリが相次いで部品落下や不時着などを起こしている問題で、県などが同基地の全機種の飛行中止を求める中、米軍が中止要請を無視し、通常通りの訓練を続けていることに県民の怒りが広がっています。
同基地の所属機は1カ月足らずの間にCH53大型ヘリが部品落下(昨年12月7、13日)させたのに続き、UH1Y汎用ヘリ、AH1Z攻撃ヘリが不時着(6、8日)しました。MV22オスプレイも2016年12月の墜落をはじめ不時着を繰り返しており、4種類の回転翼機すべてが沖縄県全域で事故を起こしています。県は在沖米軍の全航空機の点検とその間の飛行中止を要請していますが、米軍は完全に無視。読谷村(よみたんそん)に不時着した当該機を含め、飛行を再開しています。普天間基地では10日も早朝から爆音をとどろかせヘリが次々と離陸していきました。
宜野湾市で子どもの居場所づくりをしている男性(63)は、「なぜ日本政府は飛行を止めさせる強い姿勢を見せないのか。部品落下事故もあり、米軍機の飛行が続く限り子どもたちが外で遊ぶこともできない。おとなが本気で守ろうとする姿を見せないと子どもたちは何も信じられなくなる」と憤りました。
この日、ヘリが不時着した読谷村議会は同基地所属機の訓練中止などを求める抗議決議と意見書を全会一致で可決。在沖縄海兵隊司令部前(北中城村)では、ヘリ不時着に抗議する抗議集会が開かれ、緊急の呼びかけにもかかわらず200人が集まり、怒りの声をあげました。